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2022年6月から日本国内に対しても配信可能となった Pinterest アドですが、早速自分も複数の案件で配信に着手し、実際に成果が出始めている事を確認しています。
商材によっては費用対効果が大変よい状態での獲得を継続できているものも多く、先日も下記のようにツイートしましたが、困惑するほどに相性の良いケースも確認しています。
本日は自分自身が「Pinterest アドの持つ広告効果を最大限に引き出すために実施すべきなのではないか?」と考え、実践している7つのことについて解説していきます。
目次
実際に自分が、Pinterest アドの持つ広告効果を最大限に引き出すために実施している点は下記(1)〜(7)の通りです。
まずは媒体が推奨している形で、推奨通りにサイトの認証や Pinterest Tag などの設置を実施しましょう。 こちらについては詳細下記記事でも言及していますので、気になった方はご参照ください。
参照:Pinterest アド(Pinterest 広告)を配信する上で注意したい33のポイント
まずそもそも Pinterest とはどのようなツールなのかという点について、理解しようと努めるべきです。
そもそも Pinterest は公式に「Pinterest とはどのようなツールであるか」という点について、下記のように言及しています。
Pinterest は、ビジュアルディスカバリーエンジン。
レシピやインテリア、ファッションなど、暮らしを彩るアイデアを画像で探索するツールです。
世界中の人々の人生を豊かにするインスピレーションの発見と実現をサポートすることが、Pinterest の使命です
「【公式】初心者向け!ピンタレストの使い方 入門ガイド | Pinterest Japan 公式ブログ」より引用より引用の上、一一部マーカー
Pinterest を使うことで、自分の”好き”が明確になり、理想の暮らしを実現しやすくなります。
Pinterest を見ながら「数年後はこんな家に住みたい?」「次の週末はこの料理を作ってみたい?」と自分の興味関心事に合う画像を収集することで、実現するための手段を具体的にイメージすることができ、将来の計画が立てやすくなります。
「【公式】初心者向け!ピンタレストの使い方 入門ガイド | Pinterest Japan 公式ブログ」より引用の上、一部マーカー
上記の内容を整理し、解釈を交えると下記のようにまとめることができるのではないでしょうか。
- インターネット上にある写真・画像・動画をピン(キュレーション)することができる、世界中の人々の人生を豊かにするインスピレーションの発見と実現をサポートツールである
- ネット上のすでにキュレーションされた情報を、自分用にキュレーションする事ができるツールでもある
- いっぺんに複数(未来の)可能性を提示された際に、ユーザーが真っ先に何を選択するのかというデータを他SNSに比べて多く収集する事ができる(つまりはユーザーがより優先的に求める嗜好性を知る事ができる)ツールである
次にこれらの特性をおさえた上で、Pinterest アドについて理解を進めていきましょう。
Pinterest アドとは何かについて、自分は以前、端的に下記のように説明しました。
Pinterest アドとは、Pinterest, Inc.が運営・管理する写真・画像・動画共有サービス「Pinterest」内に掲載されるさまざまな形式の広告の総称
「Pinterest アド(Pinterest 広告)とは?設定方法、注意事項、実際に配信してみた上での所感についても解説 」より引用
実際、すでに Pinterest のホームを見るとさまざまな広告に触れられるようになっているかと思います。(2)で書いたような姿勢を保ちつつ、以下のような取り組みを実施してみることを推奨します。
- 実際に Pinterest を日常の中に取り入れて普段使いしてみる
- 自分自身がどんなピンをすると他の人がピンしたものがレコメンデーションされるかを見ておく
- どのようなピンがどのように表示されるかを見ておく
- 実際に広告経由で買い物をしてみる
- 公式ヘルプを熟読しておく
- 代理店の方であれば社内事例に触れておく、率先して自発的に情報を取りにいく(呼びかけて集めてみる)
Pinterest アドに関しては、下記記事でも詳しく解説していますので、気になった方はそちらもご参照ください。
参照:Pinterest アド(Pinterest 広告)とは?設定方法、注意事項、実際に配信してみた上での所感についても解説
まだまだ広告配信されている方が少ないためか、圧倒的にCPM 、CPC、CPVが低いのです。
「特にここ数年は Facebook 広告の CPM が高騰していて費用対効果が合わない…」といったケースの場合、まだまだ広告主としての参入者が少ないため、これから参入することで、まだまだ先行者利益 を独占できる可能性が十二分にあります。
要するに、現在進行形でとんでもないブルーオーシャンなのです。
またアーロン・ゴールドマン氏の過去の発言にあるように「どんなクリエイティブやCTAがピンタレストのユーザーの心に響くのか」を Pinterest アドに早めに触れ知っておくことで、仮にそれらの数値が高騰してきたとしても、高騰する中で随時適切な手を打つことができるようになるはずです。
そのため将来的に参入者が増え、CPM 、CPC、CPV が高騰したとしても、その点について理解できていれば他の広告媒体同様に一定の成果を出し続けることができるはずなので、早めに触れておくに越したことはないように思います。
「ブランドはいま、ピンタレストで活動して、最良の価格を利用し、それよりももっと重要なことだが、どんなクリエイティブやCTAがピンタレストのユーザーの心に響くのか学ぶべきだ。キャンペーンのさまざまな変動要因に関する知識を身につけていれば、ブランドは、クリック&コンバージョン率を比例して向上できる場合に、CPMが上昇するなかでもっと高値で入札を続けることができる」と、4Cインサイツの最高マーケティング責任者であるアーロン・ゴールドマン氏は語る。
「「低CPM」と「インプ増」で、バイヤーを誘うピンタレスト | DIGIDAY[日本版]」より引用
Pinterest アドにおける、もっともオーソドックスな広告は「スタンダード」と呼ばれるものになります。
「スタンダード」には大きくわけて、画像と動画の2種類が存在します。まずは画像を、可能であれば動画も、1〜2種類程度で良いので、まずは広告(ピン)を作成し配信できると良いでしょう。
まずは「スタンダード」を設定すべき理由は全部で3つあります。
そもそも広告を制作したとしても、その広告が露出されなければ意味がありません。現状もっとも露出される広告はスタンダードになるため、まず制作するのであればスタンダードを制作すべきです。
一方、アイデアアドなど最近(2022年10月現在)追加された広告に関しては、現状そこまで広告枠がないためかそこまで露出せず、また CPM 、CPC、CPVも高いため、そこまで優先的に設定せずとも良いでしょう。
「1.おそらくもっとも広告露出されるシーンが多いのがスタンダードだから」でも論じた通り、広告が露出されなければ意味がありませんし、広告効果の検証もできません。もっとも露出される広告でスピード感を持って広告効果の検証を進めていくことができます。
自分は先日下記のようなツイートをしましたが、結論、動画は必ず配信した方が良いです。
複数の事例で確認していますが、やはり画像よりも動画の方がクリック率が2〜3倍程度高い傾向にあります。
また Pinterest のホームにおいて、まだまだ動画が表示されること自体珍しく、そのため「動画が表示される珍しさ」からのクリックも多い状況です。
そのため、画像と比較し動画のコンバージョン率が下がりがちです。しかしクリック単価が2〜3倍程度違うため、結果的に獲得単価は動画の方が良くなるというケースが多く散見されます。
また動画も試行錯誤していくことでコンバージョン率を改善させることが可能で、実際に自分はクリック率を一定維持しながらコンバージョン率を引き上げることに成功した事例もあります。そのため例えコンバージョン率が多少低くとも、積極的に動画広告も広告配信すべきだと自分は考えています。
自分は現時点で、実際に自分自身の配信実績などから「広告っぽさはないもののユーザーに行動を促しつつ、オーガニック投稿らしさに満ち溢れていないもの」が理想的な広告ではないかと考えています。
例えば TikTok 広告などで明らかに UGC 要素を考慮し制作されたと思われるような広告が散見されるかと思うのですが、そういった広告が理想的です。
自分の場合、Pinterest 広告に関しては動画も画像も、すべて自分のiPhoneで撮影、Canva や Photoshopを併用し広告制作していたりするケースもあります。
こうすることによって制作コストを抑えられるだけではなく、iPhone で撮影した動画をほぼ無加工でそのまま使用することにより UGC のような、ユーザーが投稿したものの中にしっかりと溶け込むネイティブな広告をスピーディーに制作することができるようになります。
もし低予算で配信をこれから試みようとしている場合や、現状うまく行っていない場合、それらの取り組みを実施してみることをおすすめします。
主に「獲得」を目的とした際の動画広告の制作フローについては下記記事にて解説していますので、興味がある方はそちらをご一読ください。
参照:コンバージョンが取れる動画広告を制作する上で欠かせない9つのポイント|川手 遼一|note
Pinterest アドには複数のターゲティング手法が存在します。詳しくは別記事でも紹介しているので割愛しますが、まず以下の順に設定し広告配信してみることをオススメします。
- インタレストとキーワード
- オーディエンスリスト
- ブロード
まずは「インタレストとキーワード」を設定し(特に「インタレスト」)その上で拡張ターゲティングを使用していくような形になると思うのですが、大抵の商材の場合はこれだけでも十分なケースが多いでしょう。
リターゲティングなどは 優先して設定する必要はあまりなく、それよりも Pinterest というメディアから過去1度もサイトに流入したことがないような新規ユーザーへの広告配信を積極的に行い、獲得につなげていくような取り組みを優先した方が良いでしょう。
例えば「オーディエンスリスト」の「エンゲージメント」や「行動が似ている顧客(Actalike Targeting)」への広告配信などは優先して試みるべきでしょう。
まずは Pinterest 内にいる見込み度合いの高いユーザーに積極的にアプローチし、その上である程度コンバージョンが溜まってきた他、「頻度」(フリークエンシー)が高騰、なかなかコンバージョン獲得が苦しくなってくるような動きがあれば、ブロード配信など広めのターゲティングに移行していく形が良いのではないでしょうか。
また極めて重要なのが、ターゲティングの試行錯誤に割く時間は最小限に留め、クリエイティブの PDCA サイクルに時間を割くべきということです。
Meta 広告などと同様に、ターゲティングに時間を割くような旧来の手法ではダイナミックな成果には期待が持てません。重要なのはクリエイティブです。それはお忘れなく。
新規にクリエイティブ(特に動画広告)を追加したら数日間は特に小まめに数値を見ましょう。
この点については先日ツイートした通り、まずそもそも新規で追加された広告に一気に露出が寄るといったような動きはないものの、数日かけてゆっくりと傾き、その後その動画経由でコンバージョンが取れるようになっていくと配信が寄り始めていくといった動きがあるためです。
つまり広告を追加後1〜2日は大きな動きがなくとも、4〜5日後には広告ごとの配信割合が全然違ってしまっているということが起こりがちなので、その緩やかなシフトを確認するためにも数日間は特に小まめに数値を見ましょう。
また、Pinterest アドは「保存」されたのちにコンバージョンするケースも多く、そのためある程度広告配信を開始したのちに期間を経て広告効果は確認していくような動きが必要です。
短期間で成果を見て PDCA サイクルを回そうとすると、誤った判断につながってしまう危険性もあるため注意が必要です。
また下記のようにもツイートした通り、広告を追加してから1週間ほど経過するとCPM 、CPC、CPVの傾向などがある程度安定化するため、次に制作する動画などを考えるための素材を収集したり、Pinterest 側の動きを研究したりするためのデータを集め仮説を立て別案件に応用する…などの動きをとってみたりすると良いかもしれません。
ちなみに自分はそのようなデータを収集したら、背景情報やデータなどをまとめて Google スライドに落とし込んで整理するようにしています。
率直にそのままクライアントへの報告に用いるためというのもありますが、自分自身がその時点で立てた仮説はもちろん、情報を整理しておくため、また自分自身で数日後、冷静に第三者目線で資料を確認するために実施しています。
またそれらの資料は作成後、社内チャットで共有し社内のメンバーであれば誰でも閲覧できるようにしています。
そうすることで各メンバーが、自分自身が抱えている案件に置き換えて考えて一考してみたり、広告案を考える際の参考になるかもしれないためです。
本日は「Pinterest アドの広告効果を最大限引き出すためにすべき7つのこと」と題し、自分自身が Pinterest アドの広告効果を引き出すために行っている取り組みについて解説しました。
自分自身まだ2ヶ月強しか運用経験がなく、また運用しているアカウント数も少ない中での話にはなってしまうので網羅できていない点も多々あるかもしれませんが、これから Pinterest アドを運用される方の参考になれば幸いです。
文責:川手遼一