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結論、タイトルにある通りです。
数年前から様々な案件で検証しているのですが、特に Google 広告で指名検索のクリック単価(以下、CPC)が「高い…」「もう少し下げたい」と思う場合、ポートフォリオ入札戦略を試すと良い結果になることが多いです。
今日はその点について、解説していきます。
目次
まずそもそも指名は指名なのかという点について、改めて考えなければいけません。
当記事では指名を以下のように定義しています。
指名キーワード(指名検索)とは、社名、サービス名、固有商品名、屋号、人名などの固有名詞を示すものになります。例えば「ユニクロ」の場合、「ユニクロ」やユニクロ固有の商品名である「ウルトラライトダウン」などが該当します。
引用元:リスティング広告における指名キーワードと一般キーワードの違い
例えば一般名詞や一般名詞を含むサービス名の場合、仮に指名検索が発生したとしても、指名検索の意図として、その特定のサービスを探しているかどうかはわかりません。
また仮に非常にユニークな名称のサービスであったとして、指名検索で広告配信をしていたとしても、例えばインテントマッチやフレーズ一致で広告配信をしている場合、1語もサービス名を含まない語句に対して広告配信がされているケースも存在しています。
(1)手動に切り替えることで自動の良さも削がれる
まず前提として、Google は「スマート自動入札とインテント マッチは併用することが不可欠」と述べています。
スマート自動入札とインテント マッチは併用することが不可欠です。なぜなら検索語句は千差万別で、それぞれの入札単価にはオークション時の固有のコンテキスト シグナルを反映する必要があるからです。スマート自動入札はこうしたシグナルを使って、インテント マッチでリーチ可能な関連検索のすべてについて、広告主様にふさわしいオークションに限って、適切なユーザーに対して妥当な入札単価で入札するようにしています
引用元:インテント マッチのご利用ガイド – Google 広告 ヘルプ
スマート自動入札をそのまま手動に切り替えるだけでは、「適切なユーザーに対して妥当な入札単価で入札する」ことに影響が出てしまいパフォーマンスが悪化してしまいかねません。
インテント マッチの最適化案は個別単価設定の入札戦略を使用するキャンペーンに適用できますが、最適な掲載結果を得るには、スマート自動入札戦略を使用しているキャンペーンでのみ利用することを強くおすすめします。
引用元:インテント マッチのご利用ガイド – Google 広告 ヘルプ
一方、マッチタイプをフレーズ一致、完全一致などに絞り込むとどうなるのでしょうか。
Google は以下のような gif アニメーションを用いて、インテントマッチとスマート自動入札がもたらす効用と、インテントマッチを使用しないことによって生じる損失について説明しています。

実際、川手自身、検索語句、検索シーンが限定的かつすでに特定されている商材の広告運用など一部を除き、Google 広告に関しては手動入札で広告配信をするよりも、スマート自動入札を用いることの方が圧倒的に多く、直近10年でスマート自動入札を用いた広告運用を行っているプレイヤー、アカウントを見かける機会は圧倒的に多くなりました。
また、もはや「手動入札で広告配信をしたことがない」という方も、中にはいるのではないでしょうか。
(2)「手動入札そのものに抵抗感がある」という層は一定存在するという事実
実際にインハウスで広告運用をされている方や、年次の若いメンバーが運用する広告アカウントを見ると、明らかにスマート自動入札を導入するよりも手動入札で配信する方が成果が見込めるケースにおいても、スマート自動入札を導入しているケースは多く見受けられます。
話を聞いてみると「手動入札そのものに抵抗感がある」「やったことがないからわからない」という方、意見が想像以上に多いのです。
そういった方やケースに「手動の方がいいですよ」と伝えるのは、アドバイスではなく、ただの正論の暴力ですよね。
そこでおすすめなのが、タイトルにもあるポートフォリオ入札戦略です。
ポートフォリオ入札戦略を設定することで、例えば「このキャンペーンでは上限クリック単価60円で目標CPAは¥1,000で」といった設定が可能となり、異様にクリック単価が高いオークションには参加することがなくなるため、広告費をより効率的に活用することができるようになる可能性が見えてきます。
Google 広告管理画面「ツール」からアクセスし、設定可能です。
具体的な方法はこちらからどうぞ。
実装する前に、まずは検索語句の傾向を分析しましょう。
例えば検索語句とクリック単価(以下、CPC)とコンバージョン(以下、CV)を図解した際に、次のようなケースであったとします。

CPCが40円以下のところでCVが多く発生しており、60円を超えると、CVは少ないものの、費用の投下が行われていることがお分かりいただけるのではないでしょうか。

この場合、60円以上のものに関しては「出稿しない」と判断し、その分、旧来60円以上のところに投じていた広告費を CPC 60円以下のところに投じることで、より効率的なCV獲得を理論上、実現可能となる場合が考えられます。

今回のモデルケースでは実際、獲得効率が変わらなければCVを+6.83%実現することができます。

上記例はあくまで数値も簡素にした上でのサンプルケースです。実際の広告運用業務においては、より様々な検索語句が存在し、簡単に割り切って判断できないシーンも多いことが想定されます。
まずは検索語句レポートをダウンロードしてみて「あれ、CPC高いけどCV発生していないケースが結構多いかも」という場合、ポートフォリオ入札戦略を使用し、一定 CPC に上限を設ける広告運用を検討してみてもよいかもしれません。
以下の通りです。
- Google 広告にログイン
- 左メニュー「ツール」をクリック
- 「予算と入札単価」内「入札戦略」をクリック
- 「ポートフォリオ入札戦略」にて + をクリック
- 使用したい(スマート自動)入札戦略をクリックし設定
設定時に「オーナー」を「MCCアカウント」に設定すると、MCCアカウント全体に作成したポートフォリオ入札戦略が共有されます。
指名検索に関しては過去にも色々と記事を書いたり、主導して「キーマケLab」というメディアで調査結果を公開したりしています。
- 指名検索流入でもコンバージョンしない理由としてあげられるもの
- 指名キーワードで広告配信すべき?6つのメリットとたった1つのデメリットについて解説
- リスティング広告における指名キーワードと一般キーワードの違い
- 【決定版】指名検索を増やす上で有効な19の手法
- ケンタッキーの自社指名検索に対するリスティング広告の使い方が色々な意味で素晴らしかった
- 日本マクドナルドが今、指名キーワードでリスティング広告を出稿する本当の理由についての仮説|川手 遼一
- 指名検索に対する課題や悩みに関する調査結果
興味があれば、上記記事や調査結果もご参照いただければ幸いです。
文責:川手 遼一