広告運用者のキャリアの話|6年間で出会ってきた人をベースに作成したキャリア4分類も公開

実は自分自身、広告運用がある程度できるようになってからしばらくの間、会社に所属しチームで広告運用をすることに対して違和感、葛藤を持っていた時期がありました。

率直に言えば、以下のようなことを考えていました。

  • 他の代理店でも自分の実力を試したい
  • フリーランスという選択肢が気になる
  • 自分はインハウス運用担当者になったほうが成果が出せるのでは?

要約すると「別の環境でも自分の可能性を追求したい」と考えていました。

広告代理店に入社し2年目ぐらい徐々に運用型広告の楽しさが分かりはじめ、進んで SNS(主に Twitter )で運用型広告に関する情報収集を始めた頃の話です。

そしてそれらを経由して、様々な話が耳に入り込むようになります。

  •  Twitter 経由でのお仕事依頼
  • 退職者した方からの勧誘連絡
  • ヘッドハンティング、エグゼクティブサーチからのご連絡

様々なお誘いを受けていまここに至っているわけですが、自分の場合は色々と考えた結果「自分は今の代理店に所属し、このまま仕事を続けた方が良い」と考え今に至っています。

本日はなぜ自分がそのように考えるに至ったのか、運用実務を6年ほど経験した上で今どのような形で仕事をしているのかについてお話をしたいと思います。

この記事が同業者の方や、同じようなキャリアを歩んできた方にとっての転職やキャリア形成について考えている際の参考になれば幸いです。

転職は自己救済策ではない…?

まず転職すればキャリアアップできる、独立すれば人間力(?)が向上し成長できると考える人も多いかも知れません。世には成功談も多くはびこっていますが、これらはすべて結果論であり、あくまでも生存者バイアスが働いた結果上でのものです。

この業界に身をおいた6年間で様々な人を見てきましたが、転職を気に実力を落とす人もいれば、人間性が劣化する人も存在します

そのためまず転職すれば自分は変われる、成長できるといった安易な発想は捨てましょう。

そして転職しなくても人は変われる、成長できるという事実も認めましょう自分自身の期待に対して自分自身が答えられないのは、まずは自分自身のせいであることを受け入れましょう

広告運用者の仕事を続けていくと至ることができる未来

まず「広告運用」の仕事を突き詰めていった末のキャリアパターンは無数です。これはどの仕事でも共通のことだと思います。1つの事に一生懸命に取り組み、成果を出す人は必ずひとかどの人物になることができます

しかしそれについて言及すると話もまとまらなくなるので、ここではあくまで「広告運用」の仕事を突き詰めた末のキャリアパターンとしてよくあるケースについて考えてみたいと思います。

自分が今まで出会ってきた優れた広告運用者を参考に、以下のキャリアパターン4分類を作成しました。4分類は次の通りです。

  • スペシャリスト
  • ハイブリッド
  • 教育者
  • 経営陣

4分類について細かく解説していくと以下のとおりです。

スペシャリスト…フリーランスの広告運用者に多い。広告運用に多くのリソースを割き、マネジメントや組織育成に対する興味関心は比較的薄い人が多い

ハイブリッド…広告代理店の営業担当者、サイト制作者などに多い。運用型広告に関する知識、知見、経験がある広告運用担当者以外の職種に就いている人

教育者…広告代理店において社内の運用者の育成を担当している、または社外の運用者に対して教育サービスを提供している人。

経営陣 …運用経験、運用型広告について精通した経営者・経営陣。

図解すると次のような形になります。

自分自身が4分類のどれに当てはまりそうか考えてみる

例えば自分自身の場合、上記図の4分類の中では「スペシャリスト」に向いていると認識しています

何故かというと自分自身社外の方とお話しする際は、代理店の方よりもフリーランスの方やアフィリエイターの方(個人の方)と話す際のほうがウマが合う事が多いからです。これは単純な生理的な問題なような気もします。

また退社された方と飲みにいったりなどすると「まだ独立していない!?」と驚かれることもあります。そして自分自身の Twitter アカウントは2020年12月時点で2,400人弱のフォロワーを抱えていますが、4分の1以上はアフィリエイターの方です。実際よくリプライを飛ばし合う方もフリーランス、アフィリエイターの方が大半を占めています。

しかしながら自分はフリーランスの方のように、あらゆる事務処理をこなしつつ自分自身をコントロールしながら運用型広告の世界を渡り歩いていけると考えていません。

また成果に対して非常に貪欲に、アフィリエイターの方のように次々と新しいものを試し知見を溜め込み、時には寝食を忘れ仕事に打ち込むような精神力も持ち合わせていません。

そして何より自分は「広告運用者としての自分」はそれほど優秀だとは考えていません。優秀な運用者を育てる環境や、運用者としての優秀さを保ち続けることができる環境(代理店)に身をおいているからこそ、今の自分の状態が保たれているように考えています。「優秀な広告運用者」と「優秀な広告代理店の広告運用者」で言えば自分は実は後者なのです。

そのため気質的には自分は圧倒的に「スペシャリスト」に向いていると思うのですが「スペシャリスト」としては生きていけるとは考えていません。そのため自分の場合は、まず向いている向いていないではなく、生きていくためにキャリアを考えていかなければならないと考え直し、更に考えを深めていきました。

自分自身はどんな仕事が好きなのか考えてみる

一度キャリアの話を忘れ、自分がどんな仕事が好きかという点についてお話したいと思います。

自分の場合は常に誰か他の運用者と喋りながらアイディアを練り出し、広告や施策案を作り出すことが非常に多く、それが好きでこの仕事をしている側面があります

例えば TrueViewアクションに関する記事でも解説しましたが、圧倒的な成果を出す動画(広告)を生む出すアイディアの源泉は複数人による雑談です。

TrueView アクションとは?設定方法と純新規ユーザーからコンバージョンが取れるYouTube広告を制作する上でのポイントについて解説」より引用

動画に限らず、自分は必ずチームメンバーと雑談し、そこから得た知見を活かして大きな成功を得ています。これに類似した取り組みを独立した人間が、 SNS やツールを用いてやってのけるのは至難の業でしょう。しかし広告代理店に所属していればそれも手軽に実現することができます。成果が出て、自分がやりたいことも実現できる。こんな理想的な形は中々ありません。

話をキャリアの話に戻しましょう。

このような仕事は「スペシャリスト」となり、特化して仕事に取り組んでいくと実現できる機会は激減するはずです。そのリスクを犯してまで「今の自分に向いているから」という理由で「スペシャリスト」を志す理由はありません。

また生きていく上で「人から必要とされる要素」を伸ばしていく必要があります。例えば自分自身である程度運用ができるだけの人よりも、運用もできて人をマネージメントでき「広告運用者」に育てることができる人の方が社会的にはニーズも高いように自分は認識しています。他にもサイト制作や SEO に関する知見がありつつも、広告運用に精通した人も同様に必要とされる傾向にあるでしょう。

自分の場合は色々と考えた結果、結論から言うと「人を育てる」ことができる運用者になりたいと考えつつも、副業などを通じて様々な自分自身の中の可能性を常に追求していく形が理想だと考え、今に至っています

いつまで広告運用を続けるのか問題

そして別の問題もあります。

仮にフリーランスとして活動を開始して、何歳までフリーランスとして広告運用の仕事を続けるのかという点です。5年でしょうか。10年でしょうか。自分が常に運用者として、最盛期のままのポテンシャルを維持し続けられるでじょうか。

例えば以下のような心意気・大義がある場合は独立し成果を出せる方のように思います

  • 限界まで自分を追い込み勝負がしたい
  • ◯年で法人成りさせたい
  • 明確なビジョンがある
  • 特別な理念がありそれに基づき広告運用がしたい
  • 生きていくために仕方がなく

自分の場合上記のような特別強い思いはありません。また広告運用者として活動している今の状態も、運用型広告にハマっている状態も、長い人生の中での一期間での出来事でしかないと考えています。

そのため「スペシャリスト」としての道を選ぶよりも、教育者として後進を指導したりするなどして「教育者」としての立場を築きながらも、個人ではブログを運営しながら社外に対して運用型広告の知見や情報を発信しつつ、 副業として SEO アフィリエイトを行い、 SEO に関する知識や技術を身につけ、それをゆくゆくは本業にも活かせるようにしていけるように、自分自身の様々な可能性を探っていく形をとっています。

最後に

キャリアについて悩み考えるということはすごく素敵なことですが、場合によっては「人生」について考える事にも直結するが故、非常に難しい取り組みでもあります。

自分自身の場合は上記したとおりキャリアについて考える取り組みを通じて「どう生きていくか」に行き着き、今の形に至りました

もし安易に今の現実から目をそむけるためだけに、理想の自分を追求するためだけに転職やキャリアアップを検討されているのであれば一度自分がどのような気質を兼ね備えた人間なのか、その気質的な適性だけで生きていけるのかについて考えてみてほしいのです。そして「ああ…これでは生きていけない」と思ったのであれば、まずは素直にどのような仕事が好きなのか、どのような事を実現したいのか、どのような技術・スキルを兼ね備えた人になれれば社会から必要とされそうか、自分でもそれは実現できそうかという事について考え、整理してみてほしいのです。

またこれは自分が好きな『鬼滅の刃』という作品にも出てくるセリフでもあるのですが、道を極めた者は必ず同じ場所に辿り着きます。なので周囲の目や、焦りを感じたとしても、その選択が本当に自分がすべき最良の判断かどうかを常に考え動いて頂きたいのです。

この記事が一人でも多くの広告運用者の人生をよりよい方向に導くための参考になれば幸いです。

【参考書籍】
転職と副業のかけ算 生涯年収を最大化する生き方
鬼滅の刃 12巻