広告運用者が習得すべきコミュニケーションスキル

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広告代理店に所属したなら、まずはじめは王道的なマーケティング理論を習得するよりもコミュニケーションスキルを習得した方がとにかく良いというのが長年の持論です。特に対クライアント用のコミュニケーションスキルは、早期タイミングでの習得がオススメです。

2つの理由があります。

1つめ、コミュニケーションスキルを早期段階で習得することで業務時間を大幅に短縮することが可能となります。広告代理店における仕事の大半を締めるのは他者とのコミュニケーションです。上司、クライアント、同僚、部下など、相手は多岐に渡ります。特に失敗できないのは、上司、クライアントとのコミュニケーションです。

特に入社したて、配属仕立ては戸惑うことも多く、コミュニケーションによる認識のズレや、些細な勘違いはありがちです。しかし、コミュニケーションスキルを早期に獲得し、それらをミスなくこなすことができれば、より多くの広告運用業務時間の確保、勉強・学習時間の確保に繋がり、結果運用者としての実力上昇につながります。

2つめ、いざ広告を作れる段階になった時にコミュニケーション能力が活きてくるからです

例えば目の前のクライアントとコミュニケーションがうまく取れない人が見たことがない数十万人、数百万人と「広告」を通じて意思疎通ができるでしょうか

広告運用者であれば数十万円、数百万円、場合によっては数十億というお金を広告費として預かることも決して珍しいことではありません。広告でなければ発生し得なかったエンドユーザーとクライアントの間にコミュニケーションの1つとして広告運用者の作った「広告」は使われます。その際にコミュニケーションがうまくいかなかったら…非常に大きな機会損失が生じてしまいます。

そのため本日は、広告運用者はまずコミュニケーションスキルを体得した方が良いという話をします。まず、適切なコミュニケーションスキルを身につけなかった場合、運用者にどのような危険が降り注ぐかについて、実例を交えてお話をしていきたいと思います。

残念ながらうまくいかなかった方の事例

以下の note は、実際にクライアントとのコミュニケーションがうまくいかず、広告代理店を退職されてしまった方のものです。以下はその note の一部を抜粋し、引用したものです。

その方は自社で Google アナリティクスの数値を確認可能で、自社サイトに訪れたユーザーや年齢層によって毎日分析されていました。

分析した結果をふまえて、成果が悪くなってきた時にメールなど「私はこう思うのですが、どう思いますか?」とメールが連投されてます。

退職直前の4ヶ月平均で1ヶ月あたり104通のメールをいただきました。つまり稼働日が大体22日だとすると1日5件は分析依頼のメールをもらっています。

これはかなりしんどいのです。

前職のリスティング広告代理店で運用担当者していて辛かったこと、嫌だったこと(リアルな話)」より引用

私自身、広告代理店に入社してから3年目になるまで、苦悩の連続でした。それについては書くと長くなってしまうので、下記別記事に書いているのでそちらをご参考にしていただければと思います。

広告運用者が習得すべきコミュニケーションスキルの要点

実際、上記 note のようなケースに遭遇した場合、コミュニケーションスキルの要点をどのように抑えていればうまく立ち回ることができたのでしょうか。以下(1)〜(8)で説明していきます。

(1)イシューの明確化

まずイシューの明確化が最優先で必要です。結局のところ、クライアントさんは「何」を求めて、メールをしてきたのでしょうか。以下の4つが、まず考えられます。

  • とにかく心配なため
  • 上司からの催促に対して回答しなくてはいけないため
  • 暇だから
  • 腹いせ 

まずここから考える必要があります。もしこちらに落ち度があれば、謝罪すれば済むだけの話かもしれません。必ずしも運用者に非があるわけではありません。運用開始前にもしかすると営業担当者と揉めていたりするのかもしれません。その辺りから明確化していきましょう。

(2)第三者を招いて事実を整理

次に「事実」を整理し、クライアントさんからのメールが「異常」であったのかについて、実際のメールのやりとりなどを明確化し、上司など第三者を交えて確認を行う必要性があります。もし仮に「これはクライアントさん側に非があるね」という見解になれば、上司が味方についてもらい、お打ち合わせや対面の席などで「第三者」として提言してくれる可能性があります。

(3)データ可視化

お打ち合わせの席で率直に「メールの量を減らして欲しい」旨を伝えてみると良いと思います。例えば「メールの量を減らして欲しい」と言うよりも、過去ひと月あたりのメール件数をデータ化し、 Excel などでグラフ化し、可視化した上で率直に伝えると先方に考えを変えてもらえる可能性が高まります。その上でも難色を示すようであれば、「1日1回まとめて返信する」といったような形でルール化し、コミュニケーションを行う事を提案し、試みることも有効ではないでしょうか。

(4)人間味をアピール

例えば以下のような話をお打ち合わせ時にアイスブレイクトークとして話すと、「人間味」を相手も感じることができ、ロボットのような対応を求めてこなくなります。

  • 旅行に行った話
  • 映画の話
  • 読んだ本の話
  • 家族の話

私の場合、日本国内で震度5以上の地震が発生した場合、必ず即震源地域について調べ、クライアントがいる場合は昼夜構わずメールを1本入れるようにしています。そのような心がけができるか出来ないかによって、クライアント側の運用者に対する意識はだいぶ変わるはずです。クライアントに対してロボットのように接すれば、向こうもロボットだと認識してきて当然です。人間味を感じるやり取りを心がけましょう。

またこれは副次的な効果ではあるものの、急に本題から入ってしまうと相手も頭がうまく回らないうちに会話する必要があり、人によっては大変ストレスを感じやすくなります。相手のためにも上記したようなアイスブレイクトークを心がけましょう。

(5)商材理解を深める

商材理解を理解しようとする広告運用者を嫌うクライアントはいません。例えば自分の場合、「一次情報収集」を行い商材理解を深めようと工面することがありますが、基本的に好意的に受け止めてもらえます。一次情報収集については、以下の記事で詳しく書いているのでそちらをご参照ください。

(6)略語、専門用語の使用を避ける

仕事に慣れが出始めた頃からありがちなのが、略語・専門用語、一般的に「難しい」と印象を持たれがちな言葉の多用です。これは避けた方が無難です。特にリテラシーが低いお客様に使用する場合は「優しくない」という印象を持たれることにも繋がりかねません。例えば略語を使用する場合も、略語の略前、日本語訳、概念の説明をセットでするだけでも、印象はかなり異なります。

もっとも厄介なのが言葉の意味を理解していないのにも関わらず、その言葉を使用してしまっているケースです。例えば「本質」という言葉を使ったとして「では本質の意味は?」と聞かれた際に回答できない…と言ったケースは珍しいことではないと思います。そしてそういった場合、確実に客席で”信頼”が目減りしていきます。分からない言葉は使わない、難しい言葉は噛み砕き、わかりやすく、客席ではより丁寧に話す事を推奨します。

(7)ゆっくりしゃべる

専門用語を交えた会話は複雑で聞き手は混乱しがちです。資料を読み上げる際もページ数を提示するほか、「ゆっくりしゃべること」を意識しましょう。お打ち合わせ時の音声を録音したり、Zoom のレコーディング機能を使って記録しましょう。自覚している以上に早口になってしまっているケースは珍しくありません。早口になってしまう主な要因は自信のなさ、不安によるものです。未熟であることは恥ずかしいことではありません。堂々としゃべることを意識しましょう。

(8)質問を催促しすぎない

「他に質問はございますでしょうか」というフレーズはお打ち合わせ終了間近に使用するケースも多いかと思いますが、連呼するのは NG です。お打ち合わせ終了を催促しているようにも聞こえてしまいます。1〜2回程度に留めましょう。また時間制限がある場合はお打ち合わせ前にそれを伝えておきましょう。そうすることでスムーズなお打ち合わせが可能となります。

最後に

広告運用の仕事の肝は「コミュニケーション」です。これは広告運用がサービス業である以上、今後も変わらないのではないかと自分は考えています。定性ではなく定量で、主観ではなく客観で、個人の意思・意向ではなく合意と調和の取れたルールのもと、専門用語や難しい言葉を多用せずにプロであるなら難しい言葉を噛み砕き、丁寧にわかりやすく伝える事を意識しましょう。そうすることが広告運用の実業務、例えば広告文作成やキーワードを行う際にも良い影響をもたらしてくれます。

文責:川手遼一