2022年3月に予定されている動的サイトリンクなど広告表示オプション関連のアップデートには要注意

広告表示オプションとは、掲載結果の向上が見込まれる場合、広告の掲載位置と広告ランクが十分に上位である場合に表示される、広告を装飾するオプションのことを示します。

例えば Google は、広告表示オプションの代表例であるサイトリンクを設定すると、以下のようなメリットがあると説明しています。

In fact, advertisers can see a 20% increase in click-through rate on average when 4 sitelinks show with their Search ads.

(訳)実際、検索広告で4つのサイトリンクが表示されると、平均してクリック率が20%向上します。

Deliver more engaging Search ads with improvements to ad extensions」より引用

一般的に広告のクリック率が上昇する事は、 Google にとっても、広告主(もしくは広告運用者)にとっても好ましいことです。Googleはより多くの広告収益を上げることができ、広告主はより多くのユーザーを広告経由でサイトに送客できるためです。

それもあり Google は下記のように説明し、広告表示オプションの設定をこれまで促してきました。

お客様のビジネス目標に適した広告表示オプションをすべて使用することをおすすめします

広告表示オプションについて」より引用

ただ実際には広告表示オプションが設定されないケースも多く、Google はそれによる広告主側の機会損失を解消するために「広告表示オプション(自動)」と呼ばれるものを用意し、自動的に広告表示オプションが生成され配信される体制を整えてきました。

また単純にそれだけでなく、広告表示オプションは審査落ちが発生したとしても通知されない仕様であるため運用者に審査落ちになっていることを気づかれないケースも多く、そのため Google は下記のように説明し、両方設定しておくことで、例えば広告表示オプション(手動)が審査落ちし長期間気づかれないケースにおいても備えておく形を推奨してきました。

広告表示オプション(自動)は、広告表示オプション(手動)が有効になっているキャンペーンや広告グループでもご利用いただけます。お客様のビジネスに適合する広告表示オプション(手動)はすべてご利用になることをおすすめします。

広告表示オプション(自動)について」より引用

それらのことを前提に「広告表示オプション(自動)」について、以下のようなものとして捉えている方は数少ないかもしれません。

  • 広告表示オプション(自動)は手動設定されているものが正常に動かない場合に機能するもの
  • 広告表示オプション(自動)はオプションが指定のオプションが手動で一切設定されていない場合に機能するもの

2022年3月のアップデート以降は、今後はその認識を変えていく必要があります

2022年3月以降のアップデートで広告表示オプション(自動)が表示されるケースが増える可能性が考えられる

前述した通り、これまで広告表示オプション(自動)は主に手動にて設定された広告表示オプションが使えない、もしくはそもそも設定されていないケースにおいて、特に広告の掲載結果向上につながると予測される場合に自動生成、展開され広告配信をサポートしてきました。

参照:広告表示オプション(自動)について – Google 広告 ヘルプ

2022年3月中旬以降は手動設定されているものが機能している状態においても広告表示オプション(自動)が一部機能するよう仕様変更される予定です。

例えば Google は以下のように説明しています。

For example, if your ad only has two manually-created sitelinks that are eligible to show, Google Ads can now show two dynamic sitelinks as well, showing your ad with four sitelinks in total.

(訳)例えば広告の表示対象となる手動で作成されたサイトリンクが2つしかない場合、Google 広告では2つの動的サイトリンクも一緒に表示できるようになり、計4つのサイトリンクで広告を表示できるようになりました。

Deliver more engaging Search ads with improvements to ad extensions」より引用

そもそも広告表示オプション(自動)が機能すると、例えば動的サイトリンクの場合、広告関連のリンクに対して固有のパラメータを付与している場合、共通のドメインで複数商材を展開している場合など、広告の計測漏れや、全く関係のない商材のページがサイトリンクとして設定されてしまうケースなどの発生に繋がります。

今後はそれらのことが、より起こりやすくなる(そういったことにつながるケースが増える)わけです。

また上記ヘルプ記事では「例えば広告の表示対象となる手動で作成されたサイトリンクが2つしかない場合」と記載しており、サイトリンクの表示数が一般的に最大4つであることから「足りない部分を動的サイトリンク表示オプションが補う」かのように記載されていますが、別ヘルプ記事では異なった受け止め方が可能な書き方がなされており(詳細下記)

念のため Google に問い合わせたところ、実際には手動で十分に(数も、紐づけも、審査状況も)設定がなされており、配信されている状態であったとしても広告表示オプション(自動)が有効になるケースがあるようです

広告表示オプションが手動で設定されており、それが有効な場合でも今後有効化される広告表示オプション(自動)は下記のとおりです。

  • 動的サイトリンク
  • 動的コールアウト
  • 動的構造化スニペット

上記該当の広告表示オプション(自動)ヘルプ記事において、下記ような言及が見られます。

動的サイトリンク表示オプションは、掲載結果の向上が見込まれる場合に、手動で作成したサイトリンク表示オプションとともに表示されるようになります

動的サイトリンク表示オプションについて」より引用

動的コールアウト表示オプションは、掲載結果の向上が見込まれる場合に、手動で作成したコールアウト表示オプションとともに表示されるようになります。

動的コールアウトについて」より引用

動的構造化スニペット表示オプションは、掲載結果の向上が見込まれる場合に、手動で作成した構造化スニペット表示オプションとともに表示されるようになります。

動的構造化スニペット表示オプションについて」より引用

こちらのヘルプ記事だけを読むと「広告表示オプション(自動)補助的に機能するようになる」と受け止められかねないのですが、実際はそうではないわけです。

つまり手動でしっかりと広告表示オプションを設定していたとしても、今後は広告表示オプション(自動)の一部はオンになってさえいれば、広告主、広告運用者の意図しないリンク、テキスト情報を自動的に生成し、広告として配信するリスクが常に付きまとうようになるわけです

完全に意図しない広告表示オプションの露出を防ぐためには、広告表示オプション(自動)をオフにしておくしか現状手がありません。

Google は下記公式ヘルプにも記載ある通り、広告表示オプション(自動)を有効にしておくことを公式に推奨しています。

広告表示オプション(自動)を使用すると、より魅力的な広告を掲載できるため、新規顧客を獲得するチャンスが増えます。

広告表示オプション(自動)について」より引用

しかしオフにしておくことで、上記したような一定のリスクを回避することは可能です。

とにかく自動生成されてしまったものが表示されるのは絶対にまずい」という場合などもあるでしょうから、そういったケースの広告運用されている場合、保険としてひと通りリスクがあると思われる広告表示オプション(自動)をオフにしておくなど先手を講じておく必要もあるのではないでしょうか。

3月以降は今まで見ることができなかった広告表示オプション(自動)の個別の成果、例えば動的サイトリンクとして何がどう生成され、どの程度の数値だったのかなども確認できるようになるため、そして今後は個別に広告表示オプションをオンオフ切り替えできるようになるため、より柔軟に広告表示オプションの良し悪しを判断したりする事も可能となります。

しかし、それ以上に迂闊な配信が許されない、慎重に対処しなければならないケースもあるかと思われますので、そういった場合は初めからそういった形で慎重に対処する動きを取ることも必要なのではないでしょうか。

特定の「広告表示オプション(自動)」を選択しオフにする方法については、以下別記事にて詳しく記載していますのでそちらをご参照ください。

参照:Google 広告における「広告表示オプション(自動)」とは

2.広告表示オプションの最下部設定が優先される仕様が変更

広告表示オプションに関する、注意すべきアップデート情報がもう1件あります。

広告表示オプションは今まで以下3つのレベルで設定が可能でした。

  • アカウント
  • キャンペーン
  • 広告グループ

これは引き続き変わりありません。

またこれまでは最下部のレベルで設定したものが最優先で露出する仕様であったため、以下 Google の説明にもある通り、例えばキャンペーンレベルで設定したものがある状態であったとしても広告グループレベルで設定したものがあればそちら優先的に露出していました。

if you created these ad extensions at a more granular level, they would prevent higher level extensions of the same type from serving.

(訳)以前はこれらの広告表示オプションをより詳細なレベルで作成すると、同じタイプのより上位のレベルの広告表示オプションが配信されなくなりました。

Deliver more engaging Search ads with improvements to ad extensions」より引用

しかし、2022年3月以降はアカウント、キャンペーンレベルで設定したものがあれば、広告グループレベルで広告表示オプションを設定していたとしても、必ずしも広告グループレベルで設定したものだけが露出するという状況にはならないのです。

例えば特定の広告グループで特定の商材をテスト配信する場合など、アカウントレベル、キャンペーンレベルでオプションを設定しておくと、広告グループ単位で広告表示オプションを精緻に設定をしていたとしても、上位のレベル(アカウント・キャンペーン)のものが露出してしまうケースなど想定されます

これに加え、今後は前述した広告表示オプション(自動)の事も考慮しつつアカウント内の動きを把握しておく必要性がありますので、今まで以上に広告表示オプションの動きは慎重にチェックしておく必要があるでしょう。

文責:川手遼一