クリエイティブ制作に携わる広告運用者は漫画『ブルーピリオド』を読んでおいたほうがいい

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以前に社内勉強会で紹介された『ブルーピリオド』という漫画を気に入っており、以降定期的に読み続けています。

おおまかなストーリーについては次の通りです。

成績優秀かつスクールカースト上位の充実した毎日を送りつつ、どこか空虚な焦燥感を感じて生きる高校生・矢口八虎(やぐち やとら)は、ある日、一枚の絵に心奪われる。その衝撃は八虎を駆り立て、美しくも厳しい美術の世界へ身を投じていく。美術のノウハウうんちく満載、美大を目指して青春を燃やすスポコン受験物語、八虎と仲間たちの戦いが始まる!

ブルーピリオド|アフタヌーン公式サイト – 講談社の青年漫画誌」より引用

率直に「優れた漫画だ」と思い読み続けているのですが、特に魅力的な点は以下3つの通りです。

  1. 再読するたびに仕事に通ずる気付きを与えてくれる
  2. 漫画を通じて創作活動の持つ楽しさと厳しさの二面をしっかりと教えてくれる
  3. 読者自身がデザインやアートの自然と関心を持てるよう設計されている

本日はそんな『ブルーピリオド』を通じて得た気付きを中心にシェアしたいと思います。

本記事は文科省が定める「引用」の規定に則り、また著作権法第32条で許可された範囲で漫画作品におけるコマを使用しています。また引用しながらストーリについて説明する過程でネタバレも含みます。あらかじめご了承ください。

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『ブルーピリオド』を通じて得た9つの気付き

得た気付きについては、次の通りです。

(1)「顧客が求めるもの」を提供できているか

1巻の冒頭にて、美術室にたまたま足を踏み入れた主人公・八虎が美術部のメンバーと会話をし、会話の末に「好きなこと(芸術)で食べていけないのにやりたいって精神が理解できないんで」と発したことに対し、美術部の顧問である佐伯先生がピカソを例に挙げ「有名な画家でお金に頓着のない人なんて少ないですよ」と解説します。

ブルーピリオド 1巻』より引用

実際ピカソはヴォラールやウーデといった画商の肖像画を複数作品として描いており、そういったアプローチの甲斐もあってか芸術家にしては珍しく、早期に才能を認められ、歴史にも名を残しています。

青の時代やローズ色時代、キュビズムの時代にかけてといったキャリア初期は経済的な理由からそういった作品も作りつつ、才能が認められて以降は表現欲求や創造性により寄った作品を作っていたわけです。

クリエイティブ制作の現場において、以下のようなシーンに遭遇することは珍しくありません。

  • 自分は良くないと思うけど、上司の好みに合うものを提出しないと GO が出ない
  • 自分は結果が出ないと思うけど、クライアントニーズでどうしても制作しなくてはいけない広告がある
  • 自分は嫌いだけど、ROAS(広告支出対効果)が良いので制作しないといけない広告がある

そういった場合、真っ向から「◯◯◯だから作りません」と対立するよりも、まずは相手のオーダーに沿ったものも作った上で「こんなのも作ったので試させてください」と追加で提案した方がスムーズに要求が通ることも多かったりしますし、相手も「まあ要求したものは最低限満たされているし」と許容しやすかったりします。

また仮に過去数値で結果を出していれば、相手も「まあ、この人が言うことももっともだし…」と許容しやすくなったりします。

高額な広告費を投じる場合、政治的にさまざまな関係者の思惑や意図が絡み合い、「清濁併せ呑む」といったことができなければならないシーンは往々にして起こり得ます。

そういったことに巻き込まれる中で、もしかすると、ある種の罪悪感を感じながら広告運用に身を投じる方もいる人もいるかもしれません。

そういった際には、佐伯先生の言葉を思い出すといいかもしれませんね。

(2)構図の重要性

結局美術部に入部し美大を自然と目指すようになる八虎。美大合格に向けて予備校にも入学し、そこで受験勉強を進めていく中で、講師である大場先生から「名画の共通点」を学ぶ中で「すべての名画はね 構図がいいの」と教えられます。

ブルーピリオド 2巻』より引用

大場先生は続けて代表的な5つの構図例を紹介し、具体例を用いて解説していきます。

ブルーピリオド 2巻』より引用

これは私見ですが、実際に見て「良い」と直感的に感じるクリエイティブの多くは「構図がいい」ことが多いように思います。

「構図とかどうでもよくない?パフォーマンスが良ければそれが正解でしょ」

自分は以前そのように考え、あまり構図であったりクリエイティブの精度(純度?)には拘らず、量に重きを置き制作をしていました。

ただある程度、当たるクリエイティブの傾向が見えてきた際に、自分が作ったものと同じ訴求内容でデザインのみデザイナーの方に調整してもらったものの方がパフォーマンスが良い例が続くケースを何度か目の当たりにし、以降考え方が変わりました。

興味が湧いた方は、まず1巻、2巻を手に取ってみてはいかがでしょうか。

参照:ブルーピリオド1巻
参照:ブルーピリオド2巻

(3)自分勝手力

受験が迫る最中、大場先生から八虎は「自分勝手力が足りない」と指摘を受けます。

ブルーピリオド 4巻』より引用

技術力を身につけつつ、課題の意図を読み作品作りができるようになってきている一方、「自分勝手に課題を楽しむ力(自分勝手力)が欠けている」という指摘に八虎は頭を悩ませます。

実際にクリエイティブ制作の現場でも、課題(訴求やブランドガイドラインなど)を提示され、それに向けて制作するシーンは多々あります。

しかし制作する側の人間が「制作することそのもの」を主目的にかかげ、クリエイティブに対してなんの感情も持たないまま効率性だけを重視し制作をしてしまい、結果楽しみながら作られていないクリエイティブは往々にして魅力的ではなく、結果が伴わないことも珍しくありません

ちなみに最近見た広告の中で、自分が「もっとも楽しんで作っているな」と思った広告は、X広告(旧Twitter広告)でよく見かける「オタ恋」の広告です。

X(旧Twitter)上での広告露出と生成AIで生成されたクリエイティブが話題を呼び、X公式からも「ブランド認知に成功している」と称賛されるほか、インフルエンサーによってもたびたび取り上げられ話題となっています。

最近では、現代アーティストとして有名な奈良美智氏@michinara3が「面白くて削除できない」とコメントを寄せるほどにまで至っています。

実際、商業的にも成功し会員も増えていることが ITmedia NEWS でも取り上げられ話題になっていましたが、やはりクリエイティブを楽しんで作っているかどうかは結果にもつながる、とても重要なことのように思います。

参照:「このカップル、絵面が濃い」──オタ恋の“AI広告”が話題 運営「女性入会者数が3~7倍増えた」 そのワケは

(4)焼き回し

制作した作品が思いのほか高評価を受け、同じような作品を作り始めそれをコンクールに出してしまった矢虎が受けたアドバイスがこちらになります。

ブルーピリオド 3巻』より引用

「鮮度がない」「挑戦がない」「工夫がない」

耳が痛い話です(汗)

どんなにコンバージョン率が良くても、どんなにROASが良くても、大抵のクリエイティブはいずれ枯れる運命にあるため、成果が良いうちから、次の柱となるようなクリエイティブを制作する必要があります

ただ1度あたりクリエイティブを作れてしまうと、そこから革新的なものを作るというよりも、文言を変更したり、表現を少しだけ変えてみたり、色を一部だけ変更してみたりと、「検証」と称して当たり障りのない調整を行なってしまいがちだったりします。

これは個人の経験に基づく見解ではありますが、既存のあたりクリエイティブの微調整によって、それを大幅に上回る当たりクリエイティブが出てくることは、殆どありません

そうであれば、そういった微調整に割く時間は最低限にとどめ、既存の良いものを上回る新しいものを常に追求した方が、広告運用上は有意義だったりします。

ちなみに(4)で取り上げたオタ恋は次々に新しい形のクリエイティブに挑戦し、ブランド認知をさらに高めようと試行錯誤しています。そういった姿勢からも学ぶものはいろいろありますよね。

(5)”それ”でやる必要あんの?

無事に現役で美大に合格後、課題を課せられこなしていく中で八虎は制作中の作品について「これ 絵画でやる意味ある?」と指摘され、冷や汗を流します。

ブルーピリオド 7巻』より引用

自分は以前に動画広告について言及した note で「動画広告で果たしてこれを作る必要性があるのか考えましょう」と説明する際にもこちらのコマを引用し解説を試みたことがありますが、意外とこの視点は抜けがちです。

参照:コンバージョンが取れる動画広告を制作する上で欠かせない9つのポイント

例えば「獲得」が目的の広告の場合、「獲得ができればそれでいいじゃん」という理由だけで縦長の動画広告を制作してしまったりすることが珍しくありません。

これも個人の経験則からの回答ですが、そういったクリエイティブは総じて短命ですし、そういった発想で広告運用していても、結果が振るわないままになってしまうことも…。

ユーザー目線で媒体をハックしようとして、アルゴリズムの方だけを見て仕事(広告を制作したり、運用したり)をしているだけでは限界があります。

ブルーピリオド 7巻』より引用

例えば縦長の動画広告を制作する場合も、下記のようなことをしっかりと考えた上で広告に向き合うと、同じ「獲得」が目的のケースでも、今までの想像したことがなかったような突破口が思い付いたり、競合他社が真似できないような訴求を思いつくことも珍しくないのです。

  • 何をどう表現したくて縦長動画なのか
  • なぜ動画なのか
  • なぜ横長ではないのか

自分はよく「これ、そもそも運用型広告でやるよりも別のやり方でやった方がいいですよね」という判断をし、クライアントさんのところへ提案を持って行ったことがあります。

そもそも「運用型広告ですべきことかどうか」から考えた方は、うまく物事を自由に考えられることも珍しくないのです。

(6)手を動かすのをやめていないか?

進級しつつも課題に取り組む八虎は、ふと授業中に落書きをした際に自分の絵が下手になっていることに気づきます。

ブルーピリオド 12巻』より引用

最低2枚は毎日書いていた受験生の頃に比べて、格段に制作数が落ち込んでいることに気づくシーンなんですが、結構広告の現場でも起きていることではないかと思います。

自分の場合は、一定実力が身につくまで、毎日先輩社員に「良い広告」を聞き、それを写経するということをやっていましたし、慣れてきて以降は毎日のように自分で課題を設定して、クリエイティブ制作をするようにしていました。

毎日の隙間時間で5〜6ほど、ラフ案レベルのものでいいのでクリエイティブを制作するということを繰り返していたのです。

今でも新規で案件を請け負う際は、前後1〜3ヶ月はクリエイティブを毎日作り続けます。

才能やセンスのある一部の人を除き、毎日とにかく手を動かしておかないと、表現力は確実に低下します。

ラフでいいので、とにかくクリエイティブ制作が上手くなりたい場合は毎日クリエイティブを作りましょう。また最初のうちはそれを上司や周りの人に共有し、フィードバックを得るようにしましょう。

(7)手を動かせばわかる

「500枚ドローイング」という課題を与えられ量に圧倒され困惑する八虎。スムーズに制作を進める同級生相手に「なんでそんなにスラスラ描けるんすか…?」と問いかけ、同級生から返ってきた「描いてるから?」という回答に、八虎は余計に混乱します。

ブルーピリオド 12巻』より引用

このシーンを見た際に、真っ先に自分は脳科学者の茂木健一郎が類似したエピソードを紹介していたことを思い出しました。

ある学生が、学会のアブストラクト(要約)が書けないで苦労していた。自分が何を言いたいのか、わからないのだ、と言い訳をした。すると、その話を聞いたバーロー教授は、学生がいない場所で、即座に言った。

「だったら書いてみて、自分は何が言いたいのか発見すればいいじゃないか!」

( Then why doesn’t he write it and find out ?)

その場にいた私は、思わず爆笑してしまったが、 同時に 、発話のメカニズムについての深い叡智を感じた。

茂木健一郎さんに聞く!「でたらめ話」が会話の達人への道だ」より引用

自分も実際、新規の案件を請け負う前後1ヶ月ぐらいから軌道に乗るまでの2-3ヶ月は毎日クリエイティブを作り続けます。作っているうちに見えてくることがあるため、まずは作り始めて、手を動かして広告を通じて伝えるべきことを発見しようと試行錯誤します。

例えば、作家のレイモンド・チャンドラーも毎日椅子に座って最低2時間は作品を作ろうと実践していたようで、村上春樹はそれを「チャンドラー方式」として紹介しています。

まずデスクをきちんと定めなさい、とチャンドラーは言う。自分が文章を書くのに適したデスクをひとつ定めるのだ。そしてそこに原稿用紙やら(アメリカには原稿用紙はないけれど、まあそれに類するもの)、万年筆やら資料やらを揃えておく。

きちんと整頓しておく必要はないけれど、いつでも仕事ができるという態勢にはキープしておかなくてはならない。 そして毎日ある時間を──たとえば二時間なら二時間を──そのデスクの前に座って過ごすわけである。それでその二時間にすらすらと文章が書けたなら、何の問題もない。しかしそううまくはいかないから、まったく何も書けない日だってある。

書きたいのにどうしてもうまく書けなくて嫌になって放り出すということもあるし、そもそも文章なんて全然書きたくないということもある。あるいは今日は何も書かない方がいいな、と直観が教える日もある(ごく稀にではあるけれど、ある)。そういう時にはどうすればいいか? たとえ一行も書けないにしても、とにかくそのデスクの前に座りなさい、とチャンドラーは言う。

とにかくそのデスクの前で、二時間じっとしていなさい、と。 その間ペンを持ってなんとか文章を書こうと努力したりする必要はない。何もせずにただぼおっとしていればいいのである。そのかわり他のことをしてはいけない。本を読んだり、雑誌をめくったり、音楽を聴いたり、絵を描いたり、猫と遊んだり、誰かと話をしたりしてはいけない。書きたくなったら書けるという態勢でひたすらじっとしていなくてはならない。たとえ何も書いていないにせよ、書くのと同じ集中的な態度を維持しろということである。

村上朝日堂 はいほー!(新潮文庫)』より引用

クリエイティブ制作にはのらない人もあるかもしれませんが、そんな時はチャンドラー方式を思い出し、とにかく毎日手を動かしクリエイティブ制作すると良いのではないでしょうか。

(8)努力は才能

八虎のように現役で美大に入学したメンバーがいる一方、美大は多浪生も多く、中には社会人経験を経ている方も多く存在しており、そんな仲間の一言に八虎が反応するシーンがこちら。

ブルーピリオド 9巻』より引用

社会に出るとよくわかりますけど、努力している人は「自分は努力している」という自負が強いため気付けませんが、実は努力できること自体が立派な才能ですし、そもそも「努力できる環境」にたどり着けること自体、相当に「運」が良いですよね。

作中でも出てくる通り、人間は結局「見えている結果」でしか判断ができません

ブルーピリオド 9巻』より引用

フローは基本的には個々人の「解釈」で成立しているため、自然と自他問わず努力できない人≠結果が出ていない人というわけではないのに責めてしまったり、結果的に意図せず他人を傷つけてしまう人も多いのではないでしょうか。

このあたり、自分も心当たりがあるため、読んでいて少し心が痛かったです(苦笑)

(9)発表することは大事

最新刊である14巻での長い回想シーンでの出来事。バイトをしつつ、貯めたお金で毎年作品を発表するためにレンタルギャラリーを借りているという知り合いの発言でのシーンです。

ブルーピリオド 14巻』より引用

自分の場合、拙ブログを含めX(旧Twitter)などで自分の考えや、実際に業務を通じてわからなかった点などをその週の週末に整理し、アウトプットするようにしています。

以前に阿部さん@semlabo が「Googleにインデックスされていなければ世の中にないものと同じ」と発言されていましたが、例えば自分も、最近では今まで苦手に感じていたFacebookを月に1度は更新し、その月に行った対外的にアナウンス可能なことをアナウンスするようにしていたり、自社の事例収集に協力するような働きかけを行なっています。

自分の仕事において、最も重要なのはクライアント自身の利益最大化です。

しかしそれだけやっているだけで食べていけるほど自分自身力もありませんし、センスもありません。「人よりちょっと知られた存在である」という程度で楽しい仕事に次々に携われるようになるほど、世の中は甘くないのです。

少し話が逸れますが、この情報化社会において、仕事を発注しようかどうかを検討した際に、担当者の名前や会社名をググらない人はほぼ存在しないと言っても過言ではありません。

そのため、特にインターネットに携わり仕事をしている以上は…

  • どんな仕事をしてきたのか
  • どれほど世の中の役に立っているのか(または立とうとしているのか)
  • 何ができるのか
  • 自社にとって有益な人物であるかどうか

これらを判断できるような素材を、Googleにインデックスさせておく必要があるように認識していますし、自分自身常にそういったコンテンツを世に出すことの重要性を心掛けています。

そういった意味で、自分は常に「発表する」ことを重要視するようにしていますし、そういったことを積み重ねることにより、自分自身のセンスの無さや、社交性が低かったりすることを少しでも補おうと心掛けています。

最後に

ざっと解説してしまいましたが、ブルーピリオドは本記事でも紹介した通り「再読するたびに仕事に通ずる気付きを与えてくれる」「漫画を通じて創作活動の持つ楽しさと厳しさの二面をしっかりと教えてくれる」以外にも、読者自身がデザインやアートの自然と関心を持てるよう設計されているように設計されており、単純に漫画としてもストーリーやキャラクターたちが魅力的で飽きることのない作品です。

2023年11月には15巻の刊行も予定されており、今から追ってもまだ間に合うので、興味が湧いた方はこの機会にお手にとってみてはいかがでしょうか。

文責:川手遼一