「FacebookやAppleは何故あんなに事になっているのか」に対する個人的見解

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現在の Facebook 広告や Google 広告で当たり前になりつつある「計測関連のゴタゴタ」の根幹が如何にして成立しているのかという件について、自分の認識を整理しておこうと思い筆を取りました。

GAFA と呼ばれる企業間の対立で、特に広告効果計測関連に関して影響を受けており、日々、蟻(ぼくら)の頭上で象(GAFA)がタップダンスしているようなありさまです。

出典:『呪術廻戦 14巻』より引用

もうかんべんしたってや…

これが個人的な感想です。基本的に「計測関連の正常化」はあくまでマイナス→0的な作業なので、周りが何もしなければ相対的にプラスになるかもしれませんが、基本プラスには働くものではありません。その点に注いだリソースを本来別のことに使えればさらなるプラス作用を生み出せた可能性もあるわけで「時間が….」というのが個人的な見解です。

しかし、実際に計測については心配されている方も多く、クライアントさんを始め多くの方から設定状況や進捗、設定方法などの質問を受けます。

これは前提として「タップダンスによって踏み潰される蟻」にならないように注意している結果としては当然なのですが、とにかくタップダンスに踏み潰されるのを回避することに集中するあまり「そもそもなぜこいつらはタップダンスをし続けているのか」という点について触れる方はあまり多くありません。

その証拠に初心者の方にタグ周りの説明をすると「コンバージョンリンカーってなんですか?」とか「コンバージョン測定補完機能タグ、サイトジェネラルタグってなんですか?」という質問は殆どありません。

理由はない。とにかくそれを設定しないと計測できないから設定する。で…やり方教えて?」というケースがほとんどです。

しかし、例え余裕がない状況であったとして「そもそも何故そんな事が起きているのか」という大前提は理解しておくべきです。そうすることで起こり得ることの予想が立てやすくなり、例えば直近での iOS14 関連のような動きがあっても必要以上に右往左往せず、不要な心配を抱えずに済むからです。

まずはじめに「一体何がそうさせているのか」ということについて、解説していきます。

一体何がそうさせているのか

一体何がそうさせているのかについては例えば「」などを読み、感覚的に理解されている方もいらっしゃるかもしれません。

なんとなくだけど…仲が悪いんでしょ

そのように認識されている方も多いのではないでしょうか。自分は生存本能的にか戦略的にか「自社を帝王にしたいから」という理由が、一番シンプルで大きいのではないかと考えています。その点についてまずは解説していきます。

(1)生存本能また戦略的にか

例えば岡田さん@ToshioOkada は2012年に Amazon や Google や Apple について、非常に興味深い考察を下記動画の中で展開しています。

要点を引用し、文字起こしすると下記のとおりです。

(26:20〜)あのさ、Amazonという会社がこんなすごくなるなんて思わなかったよ。僕は。10年前までAmazonっていうのは古書を販売する会社で、英語の、洋書の古書を販売する会社で、そんなんが日本にも出来たらいいよな。そしたら古本手に入りやすいのに…って思ってた。ところがその古書が、だんだん新書になって、日本でも販売するようになって、オンライン書店とか出来るようになった。でもオンライン書店だからといって、そんなにみんな使うわけじゃなかった。いや、本は本屋で買うもんだろとか、実際に手に取らないとわからないよって思いながらAmazonを使う人は少なかったんだ。でも僕らはどっかから僕らの生活習慣自体が変わっちゃって、今はもうAmazonがなかったら本はぼくら買いにくくなってるな。

#017 岡田斗司夫ゼミ「ニコ生岡田斗司夫ゼミ ブロマガ開始記念~誰も知らないガイナックス+なりすまし人生相談」201209」より引用

(29:58〜)Google という会社がある。Googleという会社が10年前、こんなことになるなんて思ってなかった。Googleという会社は、だってあれ検索エンジンの会社だよ。そんなたいしたものじゃない、ネット上の添え物だと思っていたんだよ。でもその会社がどんどん大きくなってきて今ぼくらはGoogleがなければ生きにくくなっている、だってiPhone5が発売された時に Google Maps が動かないだけの理由で、まだ買い替えてないもんな…(中略)で、Googleってものがやっぱり、地図にしてもそうだし、検索にしてもそうだし、あの、ネット上での情報の持ち方、クラウドというものの考え方全部を変えてしまっている、だよな。いま、その…さっき古本の通信販売から始まったAmzonというのが、ぼくらの…なんだろう…生活の中の流通の、なくてはならないパーツを占めているのと同じように、Googleというものが僕らの知的生活だよな、何かを思い出したりするのに検索するというのを含めて、Googleはなければならないようになっていく。

#017 岡田斗司夫ゼミ「ニコ生岡田斗司夫ゼミ ブロマガ開始記念~誰も知らないガイナックス+なりすまし人生相談」201209」より引用

(31:18〜)で、Appleという会社があるよな。Appleという会社も、もう10なん年前まではただのパソコン会社だったんだよ。単にマッキントッシュという、センスが良くて可愛くて、ちょっと性能はいいんだけどパワーが強いかと言われれば…ちょっと疑問だよな?っていうような良いパソコンを売るような、ま、なんですかね。パソコン界のフェラーリと呼ぶ人もいるんだけど…で、それがいま、Appleの主な収益というのがパソコンではないと、これは今はもうコミュニケーション事業になっているんだよ。今Appleがないと俺たちのコミュニケーション、人と人とがどうつながるのかというのが、徐々に徐々にやりにくくなってくる。もちろんMicrosoftもあれば、Androidもあるよ。でも、Amazonが古書の通信販売だけでなくなったのと同じように、Googleが検索エンジンだけでなくなったのと同じようにAppleっていうのがパソコンだけではなくなってきて、ネットワークがある21世紀というものを意味付けている…(中略)…さっき言った通信販売からAmazonがネット社会の単一ネットワークを狙っているのと同じように、Googleが検索から始まってGoogleしかない世界を目指しているのと同じように、AppleがパソコンからはじめてAppleしかない世界を目指しているのと同じように…その、たった1つの会社しか生き残れない社会がくることが5年後、10年後にくることが分かっている。だからあんなに熾烈に戦うんだよ。でないと、iPhone5にGoogleMaps載ってるって、あんなにお互いに訴訟合戦しないよ。あいつらはなんであんなに本気で喧嘩しているのかと言ったら、どれか1つしか生き残れないことを、本能的にか戦略的にか、もしくはスタンフォード大学を出た頭のいいやつを雇っているのかなにか知らないけれどさ、あの….知っているわけだよな。

#017 岡田斗司夫ゼミ「ニコ生岡田斗司夫ゼミ ブロマガ開始記念~誰も知らないガイナックス+なりすまし人生相談」201209」より引用

(34:45〜)帝国と王国の差ってさ、知ってる?あのさ、王国っていうのは王が居て、それに支配されている国なんだ。で、帝国っていうのはその王が集まって、たった1つの帝王を決めようっていう、これが帝国なんだ…(中略)…で、多分俺が思うにこれ最終的には帝国になっちゃうんだと思うんだよ。どっか1つの、一番強い国っていうのが王権の最上位を握って、その下にソフトバンクなりAppleなり、Googleなりっていう王が配列されるんだけど、誰が帝王になるのかを争っているわけ。で、僕らはその間で、なんだろう、動くコマなんだよな。 

#017 岡田斗司夫ゼミ「ニコ生岡田斗司夫ゼミ ブロマガ開始記念~誰も知らないガイナックス+なりすまし人生相談」201209」より引用

このような考察を2012年段階で展開している岡田さんの手腕はさすがとしか言いようがありませんが、その点について触れると話が脱線してしまうのでここでは割愛します。

特に気になるのは、「なぜわざわざ、ある程度お互いを攻めすぎないように振る舞っているのか(つまり喧嘩に留めているのか)」という点です。

要するに、何故全面対立にならないのでしょうか。これについては「バランスの問題」もあるからではないかと個人的には考えています。

(2)バランスの話

この件については下記記事が大変わかりやすいため、そちらから引用しながら説明していきます。

仮にもし Google と Apple が本気で戦争をするのであれば、たとえば Apple はより強固な手段で Google を利用するユーザーが減るような試みを展開するはずです。

例えば Google も Apple のサイトを検索結果上から消えるようにするでしょうし、Apple も Google Chromeを使えなくするなどの手を講じるはずです。

しかし、そのような事態には発展していません。

これは少なからずお互いに関係性を築いている部分があり、そのバランスもとらなくてはならないためです

Apple にとって、iPhone/iPad/Mac を売るには高い人気を誇る Google 検索などのサービスが必要です。今日ではこれらのサービスが利用できない端末は想像できません。Google にとっても広告を表示・クリック・タップされる機会が増えるように、自社のサービスを利用できる端末とユーザーは多いほど良いです。

ライバル?パートナー?AppleとGoogleの微妙な関係。」より引用

またもう1つとらなくてはならないバランスが「ユーザーを優先させなくてはいけない」とするバランスです。

上記した岡田さんの動画の中では iPhone5 にGoogle Maps が導入されない件について触れられていましたが、こちらは後に対応がなされ、現在でも iPhone では Google Maps を利用することが可能です。これはひとえに各社の「ミッション」や「ビジョン」によるものが大きいのではないかと考えられます。それらは下記ページでご確認頂けます。

結局1企業であれ国と同じで利用者、つまりは民なくしては成り立たないのです。つまり「ユーザーの意向を優先にさせつつも他社と争う」という点については、お互いに崩せない訳です。

例えばいくら Google とはいえ、Googleのミッションは以下の通りですから、それに反することをすればユーザーも株主もついては来ないわけです。

Google の使命は、世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにすることです。

概要」より引用

ユーザーがいなくなれば企業として成り立たなくなるし、他社の力が強まり他社が一歩帝王に近づこうとすればバランスが崩れ「調整」しようとする動きが見られます。

バランスは技術革新やトップの経営判断などといった内的要因か、外的要因の変化で崩れることが一般的です。

今回のような世界的な外出の自粛はもちろん、アメリカ合衆国の意向、サムスンやファーウェイなど、他の GAFA ほどではないものの影響力のある企業の隆盛や衰退がそれに当たります。

そのような「大きな変化」が起きた時は「また近いうちになにかあるな」と考えておけばいいわけです。そうすれば必要以上に不安を抱えずに済みますし、余裕を持って問題の対処に時間を捻出できます。

本音は本音でも表に出せない本音が企業にはある

例えば直近で iOS14 に関する動きが活発ですが、Apple は先日下記のような発言を公式にアナウンスしました。

アナウンスされた内容は下記のとおりです。

「誤った方向へのユーザーの誘導やデータの搾取、実際には選択とは言えない選択を基盤としている企業は称賛に値しない。そのような企業にふさわしいのは改革だ」「ソーシャルのジレンマが、ソーシャルの大惨事になるのを許すわけにはいかない」

アップルのCEO、Facebookをあからさまに批判–プライバシーめぐり」より引用

これが表に出せる本音ですね。でも裏にはもちろん「Facebook を抑えておかないとやばい」という表に出せない本音もあります。「他社を帝王にするのは回避したい」ということがありつつも「ミッション」や「ビジョン」によって支えられているバランス、この両方を取らなければいけないわけです。

我々に出来ること

基本的に「1匹の蟻」から見た象のイメージはこんな感じです。

特に広告周りで影響をうけやすい我々は「関わりの深い蟻」なので「誰が帝王になるのか」という争いに、人よりお付き合いしなくてはなりません。各社の間で摩擦は常に起きていますが、それにあわせて我々も「やるべきこと」として与えられたことをやりつつ、最適化を進めていく必要があります。ちょっと大変ですよね、でもやり抜きましょう。