Google 広告で広告主の広告が一覧で確認可能に

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Google は「広告の透明性」の観点から Google 広告は特定の身元確認済み広告主によって過去30日以内に配信された広告が確認可能なように設定していくという方針を提示しました。

これらはマイ アド センターの機能の1つとして展開されます。これにより広告運用者が受けるであろう影響や必要な取り組みについて、本記事では解説していきます。

今後どのような取り組みが展開されるのか

冒頭でもご紹介した通り、Google は 特定の(身元)確認済み広告主によって過去30日以内に配信された Google 広告を確認可能なように展開していきます

参照:確認済みの広告主とブランドを会社のリストに追加する

注意事項

本記事では「特定の(身元)確認済み広告主によって過去30日以内に配信された Google 広告を確認可能なように展開」と記載していますが、2023年7月にポリシー変更が行われる予定で、以降は本人確認済みではないケースにおいても「広告の透明性について」と広告の開示情報にて、Google 検索や YouTube などの Google のプラットフォームで広告を配信するすべての広告主様の名前、所在地、過去の一定の期間に配信した広告などの情報が公開されるよう変更される予定です。

参照:更新: Google 広告の透明性に関する新しいポリシー(2023 年 6 月) – Google 広告ポリシー ヘルプ

実際にまだこの変更は実施されていませんが、公開されているイメージを確認する限りだと、リスティング広告上部「▼」または「i」、あるいは YouTube 広告内部再生ボタン上部「i」をクリックし表示される「この広告について」または「この広告主について」をクリックすると、その広告主が過去30日以内に配信したあらゆる形式の Google 広告を確認できるようになります。

下記ページよりアクセスすると、Meta広告の広告ライブラリと殆ど同じように使用することができます。

参照:マイアドセンター

現時点では身元確認済み広告主の広告しか現時点では確認できませんが、下記のように日本でも実際されていることを確認されはじめています。

いつ展開が開始されたか

日本では2022年10月20日より展開が開始されました。

なぜこのような取り組みが行われるのか

冒頭でも説明した通り、広告の透明性向上のためにこの取り組みになります。詳しくは「Giving users more transparency into their Google ad experience」にも記載されていますが、以下の取り組みを行うことで Google は以下のようなメリットがあると考えているようです。

  • エンドユーザーが良いと思った広告から、広告主や取扱製品をより手軽に理解することができるようになる
  • エンドユーザーが広告の通報をより簡単にできるようになる
  • エンドユーザーがより安心できる明確で直感的な広告体験を味わえるようになる

またこの動きにより、より広告主の責任の明確化、広告メッセージの統一感が必要とされてくる動きはますます強まっていくものと考えられます。これまであったような二枚舌な広告の展開、例えばランディングページが違うと同じ商品でも割引額が違うなどといった、発覚することで炎上リスクのある広告配信なども無くなっていくのではないかと考えられます。

広告運用者側で行うべき対応

身元確認依頼がきた場合、対応する必要があります。

ただ、身元確認依頼がきた際の「広告主情報の設定には注意が必要です

例えば、本来広告主の情報を入力しなければならない箇所に、代理店の情報を入力してしまい、現在情報漏洩が確認されているケースなどが散見されています。

そのため、誤って広告主情報を設定してしまっている場合は修正が必要です。修正される際は、下記記事をご参照いただければと思います。

参照:Google 広告の身元確認完了後に反映された情報を変更・修正する方法

広告ライブラリとの違い

例えば Facebook は同じく広告の透明性のために「広告ライブラリ」というものを設け、常時どのような広告を配信されているのかなどを確認できるようにしています。

広告ライブラリには検索機能があり、特定のキーワードを入力するとテキストや、画像内テキストなどに対して検索を行い、該当する広告を表示する仕組みになっています。

広告ライブラリは広告の透明性を保証する最も包括的な機能であり、Facebookが提供するアプリやサービス全体の広告を一覧できます。配信されている広告についての詳しい情報を提供することで、広告の透明性を維持しています。

広告ライブラリについて」より引用

現段階で公開されている Google のそれは Facebook の広告ライブラリとは異なり、検索して情報を集めてくるようなものではなく、特定の広告を選択し、その広告主が過去30日以内に配信していた広告が確認できるような仕様となるようなのでその点が大きく異なります。

どのような活用方法が考えられるのか

すでに海外の広告運用者の間では話題になっていますが、競合調査などが従来に比べて正確に、かつ効率的に行えるようになるのではないかと考えられます。

1つでも広告を見つけることができれば、その広告主が配信している広告が全て確認できるようになるため、例えば競合他社がどのようなYouTube広告を展開しているのかは勿論、「そもそもYouTube広告を展開しているのか」などといったことまで確認できるため戦術ベースで施策を考えたりする際にも活用できるはずです。

また出どころ不明な、誰が配信しているかも分からないような広告、いわゆる「テストテストテスト広告」を見かけた際や、配信元不明の広告によって迷惑を被っている場合などに配信元を特定できる可能性も高まるのではないかと考えられます。

そして、営業提案時などの素材としても使えるものが得られる可能性も高いという点も注目しておくべきです。

既存の広告運用に対して改善提案を提出する際の素材集めにも活用可能ですし、競合他社が既に取り組んでいる施策に追従したい場合などにも、視覚的に訴えかけるための素材をより効率的に集めることなどが可能になるのではないでしょうか。

追記(2022.6.9)

アメリカを中心にテスト実装が始まりました。前述した通り「米国で試験的に導入され、2022年には世界中の様々な国々で導入されると公表されているもの」になりますので、日本でも徐々に実装されてくるのではないでしょうか。

追記(2022.10.20)

日本でも提供が開始されました。

追記(2023.6.12)

2023年7月にポリシー変更が行われる予定で、以降は本人確認済みではないケースにおいても「広告の透明性について」と広告の開示情報にて、Google 検索や YouTube などの Google のプラットフォームで広告を配信するすべての広告主様の名前、所在地、過去の一定の期間に配信した広告などの情報が公開されるよう変更される予定です。

参照:更新: Google 広告の透明性に関する新しいポリシー(2023 年 6 月) – Google 広告ポリシー ヘルプ

文責:川手遼一