品質スコアと広告ランクは全くの別物です

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この1ヶ月ほど、冗談抜きで寝ても覚めても「品質スコア」と「広告ランク」のことについて考えています。そうです、Google 広告の話です。

「品質スコア」については公式ヘルプにも記載されている通り、広告の掲載順位を決定的に確定する要素である広告ランクの算出には使用されないと記載されています

品質スコアは、広告オークションにおける競争力の総合的な推定値となるため、オークション時の広告ランクの算出には使用されません。

「 品質スコアとは – Google 広告 ヘルプ 」より引用

ところが多くの方が「広告ランクの算出には品質スコアが使用されている」と見て取れる旨をブログ、 Twitter などで発信されていて誤解が生じているように見受けられます。広告ランクの算出に用いられるのは「(広告の)品質」です

「品質スコア」と「(広告の)品質」に関する上手い例え

この件については以前から新田さん@acssembleがブログなどで強く警鐘を鳴らされていたりもします。

「品質」と「品質スコア」を改めて解説する

上記記事の中で注目すべきは「品質スコア」と実際に広告ランク算出に用いられる「(広告の)品質」に関する比喩表現です。

「品質」は入試の点数、「品質スコア」は偏差値なイメージ

「品質」と「品質スコア」を改めて解説する」より引用

実際の広告が表示されることになった検索語句がキーワードの語句と異なるものであれば、品質スコアは正しい推定になりません。入試の例で言えば、数学の偏差値が70だったとしても、出題範囲が模擬試験と異なり、入試では数学の中でも苦手な分野が出題されてしまったら偏差値70相当の点数が取れないこともありうるということです。

「品質」と「品質スコア」を改めて解説する」より引用

この比喩を見た瞬間「なんと見事な…」と思わず声が出てしまいました。

例えばGoogleにおいて、本来であれば広告が表示されるであろうビックキーワードで検索を実施した際に広告が1つも表示されないことや、指名キーワードなどオークション参加者が自分しかいない検索時にも、ごく稀に広告が予算や入札、広告に何も問題がなくても広告が一切表示されないことがあります。

「なるほど、あれは品質は”入試の点数”、品質スコアは”偏差値”で例えるならば、大雪か何かで試験そのものが中止になって、受験会場に誰もたどり着かなかったようなものか…」と深く感慨深いものを感じてしまいました。(違う)

で、品質スコアとは結局何なのか?

新田さんは上記ブログの中で「品質」は入試の点数、「品質スコア」は偏差値と述べていますが、実際のところどうなのでしょうか。

例えば偏差値80ある学生でも、試験当日のコンディションがいまいちだったり、試験中にお腹の調子が悪ければA判定の大学に落ちてしまうかもしれません。また偏差値は模試データなどを参照し算出されます。この点についても、実際の品質スコアは、過去の広告オークション全体でどの程度の掲載結果があがったかを集計した指標ですから、非常に説得力がある例えのように思います。

ただ自分は「偏差値」ほどの指標としての絶対的な影響力はないのではないか…と考えていたりします。偏差値50,60,70の学生には大きな開きがあるように感じますが、実際の品質スコアが8,9,10だった場合、それほど気にもなりませんしそれと同じですね。

品質スコアの例え、そして受け止め方について

自分は品質スコアは偏差値ほどの、つまりは指標としての影響力はないものだと考えています。もっとアバウトで、参考指標としてはそこまで機能しないものではないかと考えています。

例えるなら、「食べログの点数」と「実際にそのお店が良いお店かどうか」ぐらい開きがあるものではないかと考えています。

食べログの点数が高くても、お店の料理が美味しくても、接客がダメならぶち壊しですし、食べログの点数が高くても生魚が苦手な人を食べログ上位の寿司屋に連れて行ったらダメですし、そういうものなのかなと。

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ただ実際の偏差値や食べログの点数同様に、低ければ色々と考えて手を打たなければいけないものではないかなとも考えています。例えば偏差値が30しかなかった場合、そのまま試験を受けても入学できる大学が限られてしまいます。

食べログも3.6ぐらいあれば「良いお店」というイメージを数値だけで持たれがちですが、逆に自分のお店が2以下の点数だった場合、ちょっと色々と考えものですよね。特に接客やメニューについて、色々と考え直す必要性があったりします。

実際の品質スコアもそんな感じものではないかと思います。飲食店で言えば、入店しても店員が何も話しかけて来なかったり、頼んだものと違うものが出てきたり、入店前の店構えとメニュー価格が大きく乖離していたり、そういった飲食店でありがちな問題点の一部が、品質スコアでは、「推定クリック率」「広告の関連性」「ランディング ページの利便性」に集約されていて、そこが数値化されているだけなのではないかと。(つまり)

実際の広告ランク算出には、もっと意外な要素が考慮されていそうな気がします。例えば上記した飲食店であれば、人によっては「トイレが綺麗かどうか」にすごくこだわりますが、公開されている指標の中にはそれは含まれていない…みたいな。でもまずは食べログ「3.6」を目指しましょう…みたいな。そういう感じなのかなと。こんな感じのページもあることだし。偏差値は大学入試の KPI にはなっているような気もするし。