Microsoft 広告(Microsoft Advertising)とは?広告媒体としての特性や注意点について解説

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Microsoft 広告(Microsoft Advertising)は2022年5月31日より日本でも正式にローンチされましたが、不明確な点や、実際に管理画面に触れたことすらない広告運用者の方は多いのではないでしょうか。

本記事では、そもそもMicrosoft 広告とはどのような広告媒体なのかについて、特性や実際に運用してみた上で感じてた注意点についても、あわせて解説していければと思います。

注意事項

Microsoft 広告は日本ではリリース直後のため、高頻度で管理画面上のアップデートが実行されています。本記事のキャプチャと実際の管理画面上との説明で齟齬が生じているケースが想定されますが、その点事前にご了承いただけますと幸いです。

Microsoft 広告とは?

Microsoft 広告とは、米国においては Microsoft が提供する検索エンジンである(Microsoft)Bingや、Microsoft の広告事業に関して深い繋がりのある、米国で検索エンジンを提供している AOL、およびYahoo(yahoo.com)その他検索パートナー サイト (MSN.com や Bing.co.uk など) で特定の語句を交えて検索行為をした際に、検索結果ページに広告を表示させることができる検索連動型広告(別名:リスティング広告)と、MSN、Outlook.comなどの主要なサイトや Edge、およびその他のパートナーのサイトを対象に、例えば自社の顧客となりうるような特定のユーザー層に対し画像や動画やテキスト、あるいはそれらを組み合わせたディスプレイ広告(Microsoft オーディエンス広告)を配信することが可能な広告媒体です。

また日本においてはMicrosoft 広告上の検索連動型広告は、Microsoft Bingのみに配信されています

Microsoft 広告の持つ7つの特徴

Microsoft 広告が持つ7つの特徴についてですが、下記の通りです。

1.シェアを伸ばしている Edge のデフォルトの検索エンジン・Bing に広告配信できる

例えば当ブログに関しても一定数、Edge や Bing からのアクセスが発生していますが、日本全体での Edge は 14.85%ものシェアを誇っており、検索エンジン・Bingに関しては7.47%ものシェアを有しています

Microsofts-share-of-Edge-in-the-past-year
Browser Market Share Japan | Statcounter Global Stats」より引用
Microsoft-Bings-share-in-the-past-year
Search Engine Market Share Japan | Statcounter Global Stats」より引用

2021年のシェアと比べてみると、1年でそれらがシェアが大きく伸びていることがよくわかります。

年月検索エンジン・ブラウザシェア
2021年9月Edge8.85%
2022年9月Edge14.82%
2021年9月Bing4.32%
2022年9月Bing7.54%
Statcounter Global Stats – Browser, OS, Search Engine including Mobile Usage Share」より引用したデータを整理し記載

ここまで数値が伸びている背景としては、主に Internet Explore のサポート終了に伴う Edge への移行、定期的に発生する Widows のアップデートに伴う Edge への案内、Edge のデフォルトの検索エンジンが Microsoft Bing であることなどが、ボディーブローのように効いていることが要因として考えられます。

逆にモバイル(下記ツイート参照)はシェアが0.31%から0.38%までしか成長していないのは、上記したような PC 以外の効果的な施策としての手を打てていない事が大きく影響していると考えられます。

まあ、0.07%のモバイルシェアのアップも、そもそも1年でPCだけとはいえ、検索エンジンのシェアを7%も伸ばしているのはかなり驚異的なことなのですが。

しかしながら、現状 Bing はYahoo! 広告の検索パートナー枠として指定されているため、Yahoo! 広告を配信することで自動的に Bing にも広告配信はなされています。

そのため広告運用者の中には「わざわざ Microsoft 広告を運用しなくても良い」と考えている方は多いかもしれません。

しかし、そういった場合であったとしても Microsoft 広告を配信する価値はあります。その点についても、本記事で解説していければと思います。

2.Microsoft 広告からしか配信できない Bing 内のショッピング広告枠

Bing 内のショッピング広告枠への広告配信に関しては、現状 Microsoft 広告からしか広告配信する事が出来ません。

そのため、Bing の検索連動型広告枠はすでにYahoo!広告などから配信されている広告が多数散見されるのですが、ショッピング広告は穴場となっています。そのため自分は以前に下記のようなツイートをしましたが、EC 関連の広告運用を行なっているのであれば、正直ショッピング広告枠のためだけにも Microsoft 広告の運用を開始する価値があるのではないかと考えています。

こちらについては下記インタビュー記事でも触れていますので、気になる方はそちらもご参照ください。

ここでもうひとつ、強くおすすめしておきたいのが検索エンジン、Bingへの広告配信が可能なMicrosoft広告です。日本では今年5月31日に開始したばかりのサービスでまだほとんど知られておらず、競合が少ないのでかなり穴場だと思います。とくに参加の余地があると思われるのが、Eコマースと相性がよいショッピング広告です。

Web広告って出すべきなの?ネットショップの広告運用について川手さんに聞いてみた。」より引用

3.Microsoft 広告上で設定可能な多用な広告表示オプション

Microsoft 広告には複数種類の広告表示オプションが用意されています。

中には Microsoft 広告からしか設定できない広告表示オプションも存在しており、これらは Yahoo! 広告から Bing に対して広告配信する場合はそれらを使用する事ができませんが、Microsoft 広告からBing に対して広告配信する場合のみ使用する事ができます。

名称などはそれぞれの媒体によって異なりますが、「Yahoo!広告にないもの」にチェックがあるものは、Yahoo!広告上に一切類似する広告表示オプションが無いものとなります。

代表的なものだと、下記の通りになります。

広告表示オプション名概要Yahoo!広告にないもの
行動喚起 (CTA) 表示オプション行動喚起 (CTA) 表示オプションは、テキスト広告の、行動を促すボタンです。アクション タイプのプリセット リストから選択できます。これにより、顧客が広告を操作して注文したり、メッセージを送信するためのボタンが広告に追加されます。✔︎
アプリリンク表示オプションアプリリンク表示オプションを追加すると、PC、タブレット、スマートフォン上で、広告からアプリを宣伝できます。広告でアプリのインストールを宣伝すると、アプリのダウンロードや使用に加え、Web サイトへのアクセスも増加します。サイトリンク表示オプションとは異なり、アプリリンク表示オプションでは、顧客のデバイスとオペレーティング システムを自動的に検出し、顧客を適切なアプリ ストアに直接誘導します。✔︎
電話番号表示オプション 電話番号表示オプションを使用すると、特定の場所に関連付けられていないが、広告が表示されるすべての場所に適している電話番号を指定できます。
コールアウト表示オプションコールアウト表示オプションでは、Web サイトの製品またはオファーを強調表示する特別なテキスト スニペットを提供します。この広告表示オプションはクリックできず、広告の説明に追加して表示できます。Web サイトに関する追加の詳細を提供すると、広告の潜在的な顧客との関連性を向上することができます。
フィルターリンク表示オプションフィルターリンク表示オプションを使用して、これらの各オファーへの一意のリンクを持つ製品や機能の複数のカテゴリを一覧表示します。フィルターリンク表示オプションは、他の広告表示オプションと簡単に組み合わせることができ、広告フォーマットをさらに拡大して、最終ページ URL に加えて、サイトのさまざまな部分に複数の入口を表示できます。✔︎
フライヤー表示オプションフライヤー表示オプションを使用して、ビジネスの製品、クーポン、販売イベントを紹介します。フライヤー表示オプションでは、選択した製品やプロモーションの画像 (フライヤー) を表示し、潜在的な顧客により多くの情報を提供してエンゲージメントを高めます。✔︎
画像表示オプション画像表示オプションを使用して、広告に視覚的要素を追加します。広告に視覚的要素を提供すると、広告が目立つようになったり、クリックしたときにどのようなものが表示されるか顧客がわかりやすくなります。✔︎
住所表示オプション住所表示オプションを有効にすると、顧客に最も近い会社の住所を、現地の電話番号も含めて表示することができます。さらに、顧客がスマートフォンで広告を表示していれば、その番号をクリックして電話をかけることができます。✔︎
価格表示オプション価格表示オプションは、PC やモバイル デバイスの潜在的な顧客に対して、製品またはサービスを対応する価格で表示するクリック課金型の広告表示オプションです。✔︎
プロモーション表示オプションプロモーション表示オプションを使用して、休日やその他の特別な行事向けのお得情報を強調表示します。たとえば、プロモーション表示オプションを使用してサマー セールを強調表示したい場合は、オファーと有効期限と一緒にプロモーション コードを含めることができます。✔︎
レビュー表示オプション潜在的な顧客は、製品やサービスを検索する際、他の顧客の感想を知りたいと考えています。レビュー表示オプションを使用して、広告内の Web サイトに関する、評価が高い第三者ソースからの好意的なレビューを共有します。ソースからの引用を言い換えたり、使用することができます。✔︎
サイトリンク表示オプションサイトリンク表示オプションは、顧客を Web サイト上の特定のページに誘導する広告内の追加のリンクです。これにより、Web サイトの特定の製品、サービス、またはセクションを宣伝し、潜在的な顧客を、検索していた情報に的確に誘導することができます。これにより、クリック率とコンバージョンの両方を改善できます。
構造化スニペット表示オプション潜在的な顧客に、製品やサービスの特定の機能に関するより多くのコンテキストを提供します。
動画表示オプション動画表示オプションは、製品、サービス、ブランド メッセージを紹介するためのインタラクティブな方法です。✔︎
広告表示オプションについて」より引用

また Google 広告同様、Microsoft 広告には広告表示オプション(自動)も存在しています。

これらは全てYahoo!広告上には存在しないものになります。そのため、これらを付与した広告を配信する事ができるというのも、Microsoft 広告から Bing に対して広告配信をする上でのメリットとなります。これらはオプトアウトしない限り、Microsoft 広告により広告のパフォーマンスを向上できると判断されると自動的に広告に適用されます。

また各広告表示オプション(自動)の名称などはそれぞれの媒体によって異なりますが、「Google 広告にないもの」にチェックがあるものは、Google 広告上に一切類似する広告表示オプションが無いものとなります。

最小単位で細分化していくと、全部で31種類あります。下記表がそれの一覧になります。

注意事項

まだヘルプ上の表記では対応エリアに日本が含まれていないため、また目視でも確認できなかったため、下記広告表示オプション(自動)が有効になっていたとしても、まだ日本国内では配信されない可能性があります。

広告表示オプション(自動)詳細概要Google 広告にないもの
消費者評価消費者評価お客様のビジネスに対する高い消費者評価を表示すると、広告に対する顧客の信頼が高まります。消費者評価は、対象の広告に追加されるレビューです。顧客がこれらの評価のリンクを選択すると、第三者のレビュー ページが表示されます。このような評価は、より多くのクリックを集め、広告への信頼を高め、より魅力的な顧客エクスペリエンスを生み出します。
消費者心理お客様のビジネスに関する肯定的な意見を含む、関連するレビューを表示します。消費者心理を追加することにより、Web サイトに対する顧客の信頼およびクリック率が向上します。✔︎
動的な広告強化機能動的説明文動的説明文は、広告のランディング ページのコンテンツに基づいて Bing が生成した、顧客の検索クエリに関連する説明文で広告を強化します。広告の関連性に対する消費者の信頼を育むことができ、クリック数の増加に役立ちます。
イベントイベントは、お客様の Web サイトで強調されている、現在のイベントまたはタイムリーなイベント関連のコンテンツから採用された、1 行のテキストとして自動的に追加されます。✔︎
スマート ランディング ページ タイトルスマート ランディング ページ タイトルは、お客様の Web サイトに掲載されている特定の商品やブランドを強調します。Web サイトで提供されている多様な商品やサービスをユーザーに紹介します。✔︎
動的コールアウト動的コールアウト動的コールアウトは、お客様の Web サイトの商品やオファーを強調する追加のスニペット テキストを提供します。コールアウト表示オプションの詳細については、こちらをご覧ください。
このクリックできないコールアウト テキストは、主要ビジネスの詳細、目玉のサービス、提供されている商品など、Web サイトのランディング ページで強調されているコピーから生成されます。すでにコールアウト表示オプションを使用している場合は、動的コールアウトは表示されません。
プロモーション (自動) (テキスト広告のみ)プロモーション表示オプション (自動) は、テキスト広告でのみ利用できます。プロモーション表示オプション (自動) では、ショッピング広告の Merchant Promotions データを使用して、関連する広告に対するプロモーション メッセージを自動的に生成します。プロモーションには、プロモーション タイトル、オファー コード、有効期限の詳細などが含まれます。✔︎
動的パートナー データ強化機能 (パーパス (企業存在意義) 表示オプションを含む)パーパス (企業存在意義) 表示オプションパーパス (企業存在意義) 表示オプションを使用して、お客様のビジネスに関する追加の情報を表示し、競合他社に差を付けます。パーパス (企業存在意義) 表示オプションは、広告コピーのデータ、ランディング ページ上の情報、およびビジネス属性データを活用して、主要なビジネス価値を強調します。パーパス (企業存在意義) 表示オプションは潜在顧客に対して広告装飾として表示され、広告の認知度を高めることができます。✔︎
原産国バッジお客様の商品を競合他社の商品と差別化するために、潜在顧客に対して商品の原産国を強調します。✔︎
お買い得バッジ顧客のエンゲージメントを高め、クリック数を増やすために、広告の販促的要素を強調します。お買い得バッジは、さまざまな祝日やイベントに対する指定された期間にのみ提供されます。✔︎
送料無料 (テキスト広告用)
送料無料 (テキスト広告用) バッジは、商品または注文に対して送料を無料にする場合に有効になります。これは広告をクリックするよう顧客に促すものであるため、広告へのトラフィックを増やすのに役立ちます。✔︎
Facebook バッジブランドの Facebook プレゼンスを使用して、信頼を築き、広告へのエンゲージメントを促進します。✔︎
公式サイト バッジブランドの公式 Web サイトの広告であると断言することにより、ユーザーの信頼を築きます。✔︎
店舗受け取りバッジ顧客に対して店舗受け取りオプションを強調します。✔︎
動的住所動的住所マップ リンク広告に複数の住所表示オプションが関連付けられていて、それらの住所がユーザーの近くにある場合、Microsoft 広告により “locations nearby” (近くの店舗) リンクを自動的に追加することができます。ユーザーがこのリンクをクリックすると、ブラウザーで地図が開き、店舗の場所が地図上にマークされます。この広告表示オプション (自動) のクリックでは、広告タイトルのクリックと同様に料金が発生します。
動的マルチメディア広告表示オプション動的マルチメディア広告表示オプションこれらの広告表示オプション (自動) は、画像や動画などのマルチメディア アセットで広告を強化します。

※現在は未公開
✔︎
動的サイトリンク動的 ESL 説明文動的 ESL 説明文広告表示オプションは、サイトリンク表示オプション (ユーザーを Web サイト上の特定のページに誘導するリンク) を拡張サイトリンク表示オプション (各サイトリンクの下の説明文) に自動的に変換します。説明文は、サイトリンクのランディング ページから抽出された関連するテキストから生成されます。サイトリンク表示オプションの詳細については、こちらをご覧ください。✔︎
動的サイトリンク動的サイトリンク表示オプション (Web サイトのほかのページへのリンク) を広告の一番下に表示します。これは、サイトで提供されている内容を顧客が評価するもう 1 つの方法となります。サイトリンク表示オプションの詳細については、こちらをご覧ください。
動的ショッピング (自動)動的ショッピング広告表示オプション (自動) は、テキスト広告のキーワードをショッピング広告のカタログ データと一致させ、関連する商品オファーを自動的にテキスト広告で表示します。動的ショッピング広告表示オプション (自動) を表示するには、アクティブな Microsoft ショッピング キャンペーン ネットワークの商品フィードが必要です。また、動的ショッピング広告表示オプションが有効になっていてはなりません。✔︎
動的構造化スニペット動的構造化スニペット動的構造化スニペットを使用して、Web サイトのランディング ページに基づいた関連するテキストを自動的に追加することにより、広告を強化できます。お客様の Web サイトで何が提供されているのかを顧客に知らせると同時に、広告の関連性に対する信頼を向上させることができます。動的構造化スニペットはクリック可能な場合もあります。
長い広告見出し長い広告見出し長い広告見出しは、説明文、表示 URL、検索キーワードなどの付加的な情報を広告タイトルに追加します。付加的な情報は、既存の広告タイトルの前または後ろに、ハイフンなどの区切り文字を使用して追加できます。この長いタイトルは、広告についての追加情報を提供し、認知度とクリック率を高めます。場合によっては、長い広告見出しによって広告タイトルの内容が置き換えられることもあります。
長い広告タイトル コールアウト長い広告タイトル コールアウトでは、広告表示オプション コピー内で、顧客のクエリに関連すると思われるスニペットを自動的にスキャンし、それをタイトルに付加してタイトルを長くします。✔︎
長い広告タイトル説明文長い広告タイトル説明文では、説明文などの追加情報を広告タイトルに付加します。✔︎
長い広告タイトル ランディング ページ フレーズ長い広告タイトル ランディング ページ フレーズは、お客様の Web サイトのランディング ページで見つかった主要なフレーズや視覚的な見出しを広告タイトルに付加します。✔︎
長い広告タイトル クエリ長い広告タイトル クエリでは、顧客の検索クエリを完全に広告タイトルに一致させます。✔︎
長い広告タイトル URL長い広告タイトル URL では、広告タイトルの前または後に表示 URL を追加します。✔︎
以前の訪問以前の訪問以前の訪問では、顧客が過去数か月間にお客様の Web サイトをクリックした回数を示す 1 行のテキストを広告に追加します。これにより、簡単に顧客に過去の体験を思い出させ、既知の信頼できるサイトを再び訪問するように促すことができます。✔︎
訪問済みリンク訪問済みリンクでは、広告タイトルの色を変更して、顧客が最近お客様のサイトを訪問したことを示すことができます。概念としては存在するものの、オプションとしては存在しない
上位広告上位広告は、お客様の Web サイトが常に高いエンゲージメントを受けていることを明示することにより、Web サイトに対する顧客の信頼を高めます。上位広告の対象となるには、顧客のクリック率が高く、戻るボタンのクリック回数が少ないことが必要です。顧客エンゲージメントは常に変化するため、広告に上位広告の注釈が表示される条件のしきい値も変わります。✔︎
販売者評価業者評価業者評価は、お客様のビジネスの評価、および高評価レビューへのリンクを表示し、顧客がお客様のビジネスをどのように評価しているかを示します。✔︎
検索パートナー専用の装飾自動ボタンVerizon Media および Bing の検索パートナー パブリッシャーは、広告の上または右側に自動的にボタンを追加できます。このボタンのクリックでは、広告タイトルのクリックと同様に料金が発生します。異なる検索パートナー パブリッシャーでこの広告表示オプションがどのように扱われるかを以下に示します。✔︎
広告表示オプション (自動) で広告を強化する」より引用

これらの機能をフル活用するためには、Microsoft 広告から広告出稿する必要があります。

4.広告ランクの算出前提が異なる

Google 広告、Yahoo!広告と同様にMicrosoft 広告もBing などに検索連動型広告が表示される際に、掲載順位などを決める指標として広告ランクが使用されています。

参照:品質スコアと広告ランクは全くの別物です

広告ランクの算出に関して、Microsoft は下記のように説明しています。

広告ランクは、以下のような多くの要因に基づいて決定されます。

・キーワードに対する入札金額

・広告の関連性

・広告のパフォーマンス。クリックスルー率 (CTR) などのさまざまな反応シグナル

“広告の掲載順位” とは」より引用し一部加筆

基本的にGoogle 広告もYahoo!広告も、Bing もこれらの算出ロジックはほとんど変わりありません。

ただしYahoo!広告の場合、広告表示オプション(自動)が存在しないため、基本的には多くの広告オークションにおいてYahoo!から出稿するよりも、Microsoft 広告から広告出稿した際の方が多くのオプションが付与される機会に恵まれ画面専有率が向上するほか、広告全体のクリックスルー率 (CTR) が向上するケースが多いはずです。

前述した通り、Microsoft 広告の広告表示オプション(自動)は31種類存在しており、Google 広告の9種類と比較すると数も種類も圧倒的です。

参照:Google 広告における「自動生成アセット(旧:広告表示オプション(自動))」とは

目を引くものも多く、そのため意外とこのあたりの要素が広告ランクの算出に影響を与え、結果的に Yahoo! 広告から Bing に対して広告配信するよりも、Microsoft 広告から Bing に対して広告配信した方が、同じ広告掲載枠に対して広告が表示されていたとしても、入札を抑えた状態でも広告ランクが高くなり、結果高順位掲載を保てる可能性なども出てくるかもしれません

また公式ヘルプ上で Micrsosoft は下記のように言及しており、広告掲載順位に対して広告表示オプション(自動)が与える影響についても指摘しています。

競合する 2 つの広告の入札単価と品質が同じである場合、広告表示オプションおよび広告表示オプション (自動) による影響が大きいと予想される広告の方が、一般的にもう一方の広告よりも高い掲載順位で表示されます。

広告表示オプション (自動) で広告を強化する」より引用

そういった可能性なども視野に入れつつ、運用していければ良いのではないでしょうか。

5.アプリからも数値を簡単に確認できる

Google 広告同様に広告のパフォーマンスや修正などが出先で気軽にできるアプリ「Microsoft Ads」をリリースしている点も特筆すべき点です。

参照:「Microsoft Advertising」をApp Storeで

参照:Microsoft Advertising – Google Play のアプリ

Yahoo!広告はその手のアプリをリリースしていませんし、そもそもBing のみのパフォーマンスをYahoo!広告を把握する方法は存在しません。

しかし、 Microsoft 広告はアプリでこれらを実現可能にしてくれています。

6.Google 広告からのインポートに対応している

Microsoft 広告は Google 広告からの広告データのインポートに対応しています。すでに Google 広告を配信している場合は、他媒体を1から構築し運用を開始する際にかけるほどの労力(工数・時間)を投資せずとも広告運用を開始させる事が可能です。

具体的な方法や注意点については下記記事にて詳しく解説しているため、そちらをご参照ください。

参照:Google 広告からMicrosoft 広告に広告データをインポートする方法

7.将来的な伸び代やポテンシャルについて

Microsoft 広告が持つ将来性やポテンシャルも、Microsoft 広告が持つ特徴の1つです。

例えば直近で Netflix は広告付き新サブスクリプションプランで Microsoft と提携したことを発表しましたが、もしかすると将来的には Microsoft 広告からNetflixに対して広告出稿できるようになるかもしれません。

参照:Netflix、広告付き新サブスクリプションプランでMicrosoftと提携

サブスクリプション契約した Windows PCへディスプレイ広告などを配信できるようになってくるかもしれません。

参照:マイクロソフト、広告入りサブスク型の低価格Windows PCを検討中 – PHILE WEB

前述したようなブラウザ、検索エンジンのシェアの伸びなども加味し、そういったMicrosoftが持つ将来性やポテンシャルを鑑み、早めに触っておく方が得策でしょう。

Microsoft 広告で配信できる広告の種類

配信可能な広告ですが、下記の通りです。

広告概要
レスポンシブ検索広告レスポンシブ検索広告では、どの見出しと説明文の組み合わせが適切かどうかを判断する必要がなくなるため、広告の作成が容易になります。
最大で 15 個の見出しと 4 つの説明文を指定すると、Microsoft 広告はそれらを使用して、潜在顧客に対する効果的な広告を作成するための最適な組み合わせを選択します。最もパフォーマンスの高い広告の組み合わせが自動的に特定されて報告され、効果の低い広告はそれ以降は表示されません。
広告のコンテンツを潜在顧客が求めているものに合致させることで、キャンペーンのパフォーマンスを向上させることができます。
拡張テキスト広告(展開したテキスト広告)Microsoft 広告では、作成した広告がデスクトップ、モバイル デバイス、タブレット上の Bing の検索結果ページでどのように表示されるかをプレビューで確認できます。Bing によって広告がどうフォーマットされるかによって表示が異なってくる可能性があります。Bing は、顧客に可能な限り最適な広告エクスペリエンスを提供するために、さまざまな広告フォーマットを試します。
動的検索広告動的検索広告は見た目は拡張テキスト広告と似ていますが、お客様の Web サイトのコンテンツに基づいて、関連する検索クエリに自動的にターゲットが絞られ、それらの検索クエリに対して結果が返されるよう動的に作成されます。
ショッピング広告ショッピング広告には、(Microsoft マーチャント センター で作成された) お客様の商品カタログからのカスタム画像のほか、特定のプロモーション用テキスト、価格、販売者の詳細などが含まれます。
Bing スマート検索での Microsoft 広告Bing スマート検索広告は Bing、AOL、Yahoo 検索ネットワーク サイト上のテキスト広告に似ていますが、最新のタッチ エクスペリエンス用にフォーマットされ、Windows 8.1 のスマート検索結果に表示されます。
Microsoft オーディエンス広告Microsoft オーディエンス広告は、検索広告主向けに最適化されたネイティブ広告ソリューションです。この機能により、広告主は検索以外のプレースメントから高品質のトラフィックを増やすことができます。Microsoft オーディエンス広告のエクスペリエンス (記事内に配置される広告など) では、ユーザーを引き付ける広告がページ コンテンツに自然に統合されて表示され、広告主は視覚的な情報が豊富な広告を提供できます。
マルチメディア広告マルチメディア広告は、視覚に訴える大きな画像を使用してブランドや商品を紹介することで潜在顧客の関心を引き、Web サイトのトラフィックと売上を増加させます。マルチメディア広告は、メインラインとサイドバーの目立つ広告位置に表示され、テキスト広告のプレースメントを置き替えることはありません。
アプリ インストール広告アプリ インストール広告はテキスト広告と似ていますが、アプリに直接リンクしているボタンをクリックすると、顧客はアプリをダウンロードするための適切なストアに直接誘導されます。
Microsoft 広告で作成可能な広告タイプ」より引用の上、一部加筆修正

Microsoft 広告を運用する上で知っておくべき注意事項

Microsoft 広告を運用する上で注意すべき点として自分がピックアップした点は、現時点において全部で31あります。

詳細は下記記事で詳しく解説しているため、気になった方はそちらをご参照ください。

参照:Microsoft 広告を運用する上で知っておくべき31の注意事項

最後に

「Microsoft=広告」というイメージを持っている人は、まだ多くはないかもしれません。しかし自分はここまで書いてきた通り、Microsoft 広告に関しては将来的な価値なども鑑みて早いうちに触れておいた方が良いと考えています。

またこれは辻さん@tsujも言及されていることですが「Microsoft Bing」の広告枠は検索語句によっては非常に広がっており、プレイヤーの参入具合や Microsoft 側の力の入れ具合が、こういった形で表面化しつつあるように、自分自身感じています。

上記「Microsoft 広告を運用する上で知っておくべき31の注意事項」にてまとめて触れている通り、いくつかの注意点もある広告媒体なのでそれらに注意しつつ、効果的な広告運用が出来ると素敵なんじゃないでしょうか。

文責:川手遼一