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2016年に提供が開始された拡張テキスト広告ですが、先日、2022年6月30日以降は編集や新規作成が出来なくなるという発表がありました。
例えば、今年に入ってからだと Gmail 広告が2021年7月1日以降に広告・キャンペーンの新規作成・編集含め実施できなくなりましたが、それと同じように拡張テキスト広告も編集や新規作成が出来なくなります。事実上、徐々に拡張テキスト広告が廃止されていく流れになっていることは間違い無いでしょう。
当記事ではこれから拡張テキスト広告が廃止に向かっていく流れの中で、今取り組むべき3つのことについてご紹介します。
2022年9月末頃に Yahoo! 広告においても拡大テキスト広告の新規入稿が終了予定です。終了以前に入稿された拡大テキスト広告は継続して配信可能で、広告のオンオフなどは可能です。あくまでも新規での拡大テキスト広告の入稿が不可となります。
詳細はこちらに記載されています。
目次
まずは状況を正しく整理し、理解しましょう。今回の仕様変更に伴い、拡張テキスト広告は2022年6月30日以降新規作成、編集ができなくなります。しかし、逆に言えば2022年6月30日までは新規作成、編集は一切問題なく可能です。
先の情報をざっと参考にしただけだと「レスポンシブ検索広告に完全切り替えした方が良いのでは?」と考えてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、決してそういうことでは無いのです。
例えば海外の有識者の見解をまとめた記事などに目を通すと、今回の拡張テキスト広告の廃止には否定的な見解も多く掲載されており、また「拡張テキスト広告を使える間は拡張テキスト広告をしっかりと用いて良い広告を見極めておくこと」「成果を見極めておくこと、成果の良い広告は長期的に使用できるように拡張テキスト広告として入稿しておくこと」という点についても実施が推奨される言及がなされています。まずこのあたりは、しっかりと行なっておくべきです。
参照:Google Plans to Sunset Expanded Text Ads: Here’s What Advertisers Can Do
参照:Advertisers React to Google’s Decision to Sunset Expanded Text Ad Creation
「拡張テキスト広告が段階的に廃止に向かっていく流れの中で、レスポンシブ検索広告を導入し段階的に切り替えていけばいい」という認識でいると、本質を見誤るように考えられます。
Google は今回の変更について、下記の点についてもヘルプ上で案内をしています。
特に重要なのは、レスポンシブ検索広告に部分一致キーワードとスマート自動入札を組み合わせることです。これにより、成果の高い新しいクエリにリーチし、こうしたクエリに対する入札単価をリアルタイムで最適化できます。同じアセットを使用して拡張テキスト広告からレスポンシブ検索広告に切り替えた場合、部分一致とスマート自動入札を適用しているキャンペーンでは、現在と同程度のコンバージョン単価でコンバージョン数が平均 20% 増加することがわかっています4。
「Google 検索で適切なメッセージをより簡単に表示できるようにする」より引用
もう何年も前から Google は部分一致とスマート自動入札の活用については提唱しています。もちろんアカウント、商材によって合う合わないはあるのですが、一度もトライしたことがない場合はもったいなさすぎます。
以前にも下記連続ツイートでご紹介しましたが、部分一致とスマート自動入札は正しく活用することで、成果を大きく伸ばすことが可能となります。
今回はそれにレスポンシブ検索広告が加わる形となります。そして「どんなレスポンシブ検索広告を作るべきか」という点も非常に重要となってきます。
従来だと例え部分一致、スマート自動入札を導入したことにより広告が表示される検索語句がほど良く広がったとしても、結局エンドユーザーの検索意図を考慮した広告文までは提供できていなかったため、例えば以下のような構造上の問題や懸念がありました。
- クリック率が下がってしまう
- クリックされないことによってコンバージョンが獲得できない
しかし、レスポンシブ検索広告はオークションごとに広告の最適化を行い、常に検索者の検索意図に最大限フィットするような広告をその場で生成し提供することが可能です。その点を考慮したレスポンシブ検索広告を作るように考慮すべきですし、その点を考慮した上で検索キャンペーンの構成を考えるべきです。
基本的には以前「リスティング広告の広告文の作り方」でご紹介した内容通りに広告文を作ればいいのですが、広告見出し固定機能を使わない場合、より一段とどの見出しや説明文が自動的に組み合わさっても違和感がなく、なおかつ訴求に一貫性があり、個々のエンドユーザーに合わせて広告効果のある広告文を作る必要があります。
先行者の動きについてですが、既に新しく広告アカウントを作成する場合、検索キャンペーンを作成する場合「RSA(レスポンシブ検索広告)しか用いない」と明言している運用者も存在します。
以下ツイートはAlex Nicoll氏@alexnicoll93 のツイートを引用したものになります。氏はそのように明言しており別ツイートで「EATが優れていることについては認めるが…」と言及しつつRSAしか用いず検索広告キャンペーンを運用するケースについて言及しています。
それに対して「正直なところそれは名案だ…」と賛同する声も少なくありません。実際6月以降はRSA(レスポンシブ検索広告)しか新規入稿・編集はできなくなるため、それを見越して先んじて手を打っておくのは決して悪いことではありません。
また「ETA(拡張テキスト広告)とRSA(レスポンシブ検索広告)をどう捉えるべきか」については非常に興味深い記事が現状2本海外で公開されています。
以下2記事がそれに当たります。
RSA Optimization Series: Part 1 – RSAs vs ETAs – Adalysis
こちらの記事ではレスポンシブ検索広告(RSA)と拡張テキスト広告(ETA)両方を含む広告グループ約100万個のデータをもとに、どちらがどのような点においてどの程度優れているのかが解説されています。
記事内でも明言されている通り、クリック率やコンバージョン率、コンバージョン単価やROASにおいて拡張テキスト広告(ETA)がレスポンシブ検索広告(RSA)に優っているという結果が出ています。
各アカウントやキャンペーン、広告グループや広告がどのような構成になっているのか、どのように作り込まれたものなのかが分からない上、言語などの違いもあるため一概に日本においても同じことが言えるとは思っていませんが、個人的には「コンバージョン率の差は何故これほどまでに明確に出来てしまうのか」という点が気になっています。
こちらの記事については別途 Twitter 上でご紹介しました。
How To A/B Test Responsive Search Ads: Step-By-Step With Tips
特に「Why Traditional A/B Testing Methods Don’t Work For RSAs(なぜ従来のABテストがRSAでは機能しないのか)」は必読の内容で、前述した「RSA Optimization Series: Part 1 – RSAs vs ETAs – Adalysis」とセットで読むべき記事です。
こちらの記事ではレスポンシブ検索広告の特性について言及した上で「RSAとETAが、広告グループ内のターゲットキーワードのみに基づいて同じインプレッションプールを共有していると考えるのは誤りである」と明言しており、こちらの言説が正しいのであれば「RSA Optimization Series: Part 1 – RSAs vs ETAs – Adalysis」の内容そのものをやや否定しかねないものとなっています。
こちらの記事についても別途 Twitter 上でご紹介しました。
自分はこれらの記事について、双方を否定するつもりは一切なく、実際に自分自身で運用して感覚的にレスポンシブ検索広告(RSA)を理解していく必要性があると現時点では考えています。単純な「案件との相性の良さ」のようなものも現時点であると自分は考えており、一概に良し悪しを語れるものではないと考えているためです。
これらの2記事については内容をそのまま受け入れて試金石とするよりも、「レスポンシブ検索広告(RSA)を今後運用していく上で定期的に見返しながら参考にする記事」として覚えておくと良いのではないでしょうか。
文責:川手遼一