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先日公開された情報によれば、世界中で今後数週間以内に標準のディスプレイ キャンペーンとスマート ディスプレイ キャンペーンが集約化に向けて動き出すようです。
すでに公式ヘルプの内容は一部更新されており、関連ヘルプなどで以下のような一文が追加されるなど見られます。
スマート ディスプレイ キャンペーンは、標準のディスプレイ キャンペーンと統合されました。自動化されたターゲティング機能は、「最適化されたターゲティング」機能として引き続きご利用いただけます
「ディスプレイ キャンペーンを作成する」より引用
現時点では具体的にどのような形になるのかはまだわかりませんが、事実上の標準のディスプレイ キャンペーンとスマートディスプレイキャンペーンという区分の廃止とみて問題ないように思われます。
段階的にではありますがこれらの連続ツイートや公式ヘルプ記事を参考するに、以下3つのことが今後展開されるようです。
- 既存の作成済みキャンペーンへの影響はなし、広告運用者側での設定変更は不要
- 標準のディスプレイキャンペーンにおいても「最適化されたターゲティング」が設定可能に
- 新規でのスマート ディスプレイ キャンペーン作成は不可に
この記事ではその点について、最新の情報を交えつつ解説していきます。
目次
そもそもまず前提として、これまでディスプレイキャンペーン のサブタイプは3種類存在しました。以下3つがそれに該当します。
- 標準のディスプレイキャンペーン
- スマートディスプレイキャンペーン
- Gmailキャンペーン
Gmailキャンペーンは2021年7月1日に新規作成が廃止された結果消失、現在は上2つが残っているような形でしたが、今回の変更により「スマートディスプレイキャンペーン」が近い将来消失し、今後長期的に見た際「標準のディスプレイキャンペーン」だけに統一されるような形になります。
以下上記ツイートを翻訳したものになります。
最初に変化が見られるのは、「標準のディスプレイキャンペーン」を選択すると、最適化されたターゲティングとオーディエンスシグナルが利用できるようになることです。アップデートが完全に終了すると、新しいディスプレイキャンペーンを作成するときに、ディスプレイキャンペーンオプションが1つだけ表示されるようになります。
上記ツイートより引用、Google翻訳にて翻訳、一部筆者修正
Google は2017年からスマート ディスプレイ キャンペーン を設け、ターゲティング設定の煩雑さを解消させることに成功してきましたが、スマートディスプレイキャンペーンは成果が出るケースと出ないケースで差が激しく、利用についてあまり積極的になれない広告運用者の方も多かったのではないでしょうか。
また今回の変更により、標準のディスプレイキャンペーンにおいても「最適化されたターゲティング」が利用可能となります。
「最適化されたターゲティング」は「リーチの拡大」の上位互換的な存在であると以前にも当ブログでは解説しましたが、それが今後全面的にあらゆるディスプレイキャンペーンでも利用可能となります。
スマートディスプレイキャンペーンにおけるターゲティング設定の煩雑さを解消するために用意されていた「自動ターゲティング」は、ある意味それの下位互換的な側面を持つ機能でした。
今回、最適化されたターゲティングの実装により、スマートディスプレイキャンペーンの「自動ターゲティング」は役目を終えたと判断されており、そのため Google は機能集約を図り、キャンペーンのサブタイプの1本化を図るものと思われます。
今後の流れとしては以下の通りです。参照元はこちら。
- 標準のディスプレイ キャンペーンを選択すると「最適化されたターゲティング」が設定可能になる
- アップデートが完全に公開されると、新しいディスプレイキャンペーンを作成するときに、ディスプレイキャンペーンオプションが1つだけ表示されるようになる
広告運用者側で、何か特別な対応をする必要性はないようです。
すでに存在しているキャンペーンは既存のまま影響を受けることなく、アップデートが進んだアカウントから上記「今後の流れ」にあるような変化が見られるとのことです。
ただ特別な対応は不必要でも、行うべき対応は複数あると考えられます。
「リーチの拡大」に苦い思い出がある方もいるかもしれませんが、「リーチの拡大」と「最適化されたターゲティング」の違いはリーチの拡大が選択したオーディエンスセグメントに加えて、別の類似したオーディエンスを追加するものであったのに対して、最適化されたターゲティングはリアルタイムのコンバージョンデータに基づいてコンバーターがどのように見えるかのプロファイルを作成し、コンバージョンにつながる可能性のあるユーザーに配信を拡大するもになります。
当然ランディング ページやクリエイティブ アセットのキーワードなどの情報はもちろん、Google 検索や、ウェブサイトへのクリックデータなども考慮されます。
参照:最適化されたターゲティングとは?ターゲットの拡張との違い、意図しない配信に関する注意点についても解説
そのためコンバージョン獲得を目的に「リーチの拡大」を行なったものの成果が出せなかったケースにおいて、最適化されたターゲティングでは成果が出せるケースなどが生じる可能性が高いと考えられます。
例えばリマーケティングや、カスタムオーディエンス(現カスタム セグメント)において最適化されたターゲティングを使用する場合、過去同様の施策の配信結果があるのであればそれらの配信対象、検索キャンペーンなどを別途展開している場合はそれらの配信された対象のデータ(年齢や性別、地域など)を参考にして、どのような違いがあるのかを確認すべきです。
明らかに異なるターゲット層に対して広告が配信されコンバージョン獲得につながっていないようであれば配信を停止すべきですし、配信先の調整や、ターゲット層の除外なども、一定期間を経てデータが溜まり次第検討すべきです。
以前は Google 広告においてコンバージョン獲得を目的に広告配信をしたとしても獲得確度の低いユーザー層に対して多く広告が配信されるなどありましたが、近年ではスマート自動入札を用いているケースでは特に、そういったケースは激減傾向にあります。
むしろ「しっかりと広告を作り込んでいない」ことによる機会損失の方が大きく、上記(1)(2)配信開始最初期を除き定期確認程度で問題なく、それ以上に広告そのものの改善にリソースを割くべきです。
例えばレスポンシブディスプレイ広告の場合、広告の改良余地管理画面上にが表示されるように設定されています。
それらの項目を確認し、例えば画像を見直す、見出しを見直すなどして行くことで、コンバージョンを増やすことが可能となります。
またそもそもレスポンシブディスプレイ広告上で獲得することを目的としているコンバージョンの種類やターゲット層に対して適切な訴求かどうかを検討することも、コンバージョン数を増やすことに大きく貢献します。詳しくは「リスティング広告の広告文の作り方」という記事にも書きましたが、セグメンテーションの妙が大きく結果の改善をもたらすことも珍しいことではありません。
あらゆる可能性を考慮した上で、広告そのものの改善は絶えず行うべきです。
記事公開当初タイトルを「スマート ディスプレイ キャンペーンが廃止され標準のディスプレイ キャンペーンと統合へ」としましたが、以下の理由から変更しています。
- 現状廃止が決定していないものを「廃止」と明言するとタイトル詐欺疑惑を招く可能性がある
- 記事公開後に公式的な発言を参照したところ「Google でも、直近 2021 年 7 月にディスプレイ広告キャンペーンをスマートディスプレイキャンペーンに統合した動きに代表されるように、さらに広告運用の自動化に磨きをかけていきます。」との記載があり、どちらかといえば廃止されるのは「標準のディスプレイキャンペーン」で「スマートディスプレイキャンペーン」は存続するような発言も確認できたため
文責:川手遼一