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直近で日経クロストレンドに寄稿した記事の中でも言及した通り、ChatGPT の使用可能なシーンは近年増えており、これにより「マーケティング関連事業従事者の仕事の一部は ChatGPT へどんどんリプレイスされるようになっていくのではないか」と自分は考えています。
実際自分も一部作業に関して、ChatGPT を使用し仕事や業務の負荷を軽減させるなどすでに実施しています。
本日は ChatGPT を使用して仕事や業務を行う場合、どのように命令すべきか、何を意識すると良いのかについて解説していきます。
目次
マーケティング関連事業に従事している方の仕事だけに絞って見ても、様々な作業に ChatGPT は活用することが可能です。以下は、ほんの一部の例です。
- 広告見出しの生成
- キャッチコピーの生成
- 記事、メルマガのライディング
- 仮スケジュールの作成
- マクロ、スクリプト生成
しかし、命令(テキストでの指示)に問題があり、本来のパフォーマンスを ChatGPT が発揮できないようなケースが往々にあるように見られます。
では、どのような点を意識し使用すべきなのでしょうか。
意識すべきと思う9つのポイントについて、個別にご説明します。
稀に突然英語で答えられることがあります。頻発する場合、事前に日本語での回答を希望しましょう。
「日本語でおk」と命令時につけるだけで日本語で回答してくれます。
例えば「5つ箇条書きで提示してください」と命令すると、5つずつ個別に提示した理由などを説明しようとすることがあります。
説明文の生成に時間がかかることもあり、ChatGPT の回答中はテキストを変更することも出来ないため、タイムロスが生じてしまいます。
→直近のアップデートでキャンセルボタンが設置され解消されました。
また出力されたものを確認する際、説明文がついていることで一覧性が損なわれ見にくくなります。
そのため、命令時に「また箇条書きで提示した個別の提示について、詳細な説明は一切不要です」などとつけて依頼すると良いでしょう。
気になった点が出てくれば、個別追加で質問し回答を得ましょう。
すでに自分は1,000フレーズ以上の広告見出しを ChatGPT に作成させていますが、なぜか ChatGPT は広告文、広告見出しの出力を依頼すると「!」を多用する傾向にあります。
そのため命令する際は「感嘆符を使うのは禁止」などと、前提条件として伝えておきましょう。
また「使わないでください」「控えてください」程度の命令だとガンガン使ってくるので「禁止です」と強いトーンで命令しましょう。
まとまりがない文章で指示を出しても、望んだアウトプットがなされない可能性があります。
具体的に前提条件を提示し、内容を明確化し指示しましょう。
前提条件を提示し出力する方が「より求めていたもの」が出力される可能性が高まります。
大きな仕事をそのまま依頼すると、処理できない可能性があります。実際こちらの質問は処理しきれず、21個までしか提示できていません。
作業を依頼する際は、細分化しましょう。
例えば最初から30個ではなく「10個出してください」とか、そして10個出力されたのであれば、追加で「他に出ていないものを10個出力してください」と投げかけたりすることで、より効率的にアイデアを引き出すことも可能です。
これを無限に繰り返せば、たった数分で1人の人間が考えつくことが出来る限界をはるかに超えた量のアイデアや発想を手にすることが出来ます。
締め切り当日の夕方に「あと10個出して」とか言っても大丈夫ですし、なんなら「もう1回ゼロベースで考え直してみよう」とか言っても全然大丈夫です。
自分は下記のようにツイートしましたが、実際その通りかと。
相手が人間であればメンタルケアも心理的安全性が求められますが、ChatGPT はそれらがなくても機能します。多少辛口フィードバックをしても大丈夫ですし、むしろ強調する時は強めに指摘しないとダメですね。
これは note 社の深津さん@fladdict が言及されていた手法ですが「質問を促す」ことによって、より良い回答を引き出せることがあります。
(深津)あらゆる ChatGPT への質問の最後に「このタスクで最高の結果を出すために、情報が足りなかったら俺に聞け」っていう命令を出す。
(徳力)あ、向こうに質問を考えさせる…
(深津)つまり、僕が足りない命令を ChatGPT にすると、足りない命令を基に ChatGPT は確率的に正しいものを出すわけじゃないですか。で逆に、ChatGPTに足りない情報があったら俺に聞けって文章を出すと、「深津さんはこういう質問をしてこういう答えを出しました」という時に、確率的に足りない情報がありそう….だったらば、足りない情報を聞きにくるわけですよね。
上記動画内 47:15- を文字起こし、敬称略
例えば、下記のような形でしょうか。
出力されたものに回答していくとより精度の高い回答が引き出せる可能性が高いということです。実際に自分自身いくつか質問を投げかけてみましたが「あ、なるほど、考える上ではこういう情報が必要だったりするのか…」と気付かされるケースも多くありました。
日本語のデータ量が少ないため、日本語で指示をするよりも英語で指示をした方が的を得た回答が得られることが多々あります。
日本語のデータ量が少ない件については、OpenAI 社の Japan 担当のシェイン・グウさん@shanegJP が WEEKLY OCHIAI にて言及されていました。
(落合)やっぱり英語が得意じゃないですか。ああ、つまり、言語として、英語で指示出しした時と、あと帰ってくる生成文もそうだけど、全然日本語で指示出しするより…
(シェイン・グウ)はい、データ量が圧倒的に違うし、やっぱりその、もともとのインターネット上のとってる例証とかもかなり違うんですよね。英語のまあ、多くとも10分の1とか。で、あとさらにファインチューニング。結局その例えば、言語にもう少しその、人間らしい指示を聞くようなコードを教えるためにデータセット、ヨーロッパとか英語とかにバイアスがかかっているので。
(落合)あれに日本語のデータセット学習をいっぱい、つまりその、Japan 担当の OpenAI のことをやるとしたら、それが日本語のデータセットの学習を増やしたりとかやると、めちゃくちゃ面白かったり。
上記動画内 5:04- を文字起こし、敬称略
そのためイマイチな品質の回答しか得られない場合、DeepL などを使いながらでも英語で質問してみると日本語で質問する際と異なり、鋭い回答を得られることもあるかもしれません。
同じ質問であったとしても英語で質問すると、回答がまったく変わります。
出力するスピードも圧倒的に英語のほうが早いですし、ヒアリング自体も丁寧です。
下記記事でも詳しく説明している通り、ファクトチェックは必ず人間が行ましょう。
ChatGPT が出力した内容の正誤確認のために、ソースの提示もセットで求めるのもありでしょう。
参照:ChatGPTの登場で「検索」はどのように変化していくのか
また出力されたものの最終的な微調整、整合なども人間が行いましょう。
ざっくりと(1)〜(9)の要点をまとめると、下記のような形になるのではないでしょうか。
- 「何を出力させるか」より「何を出力させないか」が大事
- 質問を促すとより最適な情報を吟味した上で精度の高いアウトプットが得られる可能性が高い
- 禁止事項を伝えるときは強めの口調で依頼する(「使わないでください」だと使ってくるので)
- 人間が最後は必ず介入しディレクション(ファクトチェック、出力されたものの微調整や整合など)する
またここまでのChatGPTの出力内容を見て「これ、すごく便利な…」と思われた方も多いかもしれませんが、下記3点注意が必要な点もあります。
短時間で使用しすぎると、一定時間質問を投げかけられなくなります。注意が必要です。
実際、下記のような画面が表示され出力が制限されます。
例えば一部の企業では、すでに ChatGPT を経由した情報漏洩を恐れ、使用を禁止している企業も存在します。そのような企業に所属している場合、ChatGPT の業務利用は避けるべきです。
情報が漏洩するリスクも考慮し、一部のソースコードや、秘匿性・機密性の高い情報はあまり ChatGPT には共有しないほうがいいでしょう。
また仕事で利用する際は特にですが、入力したデータ(プロンプト)がChatGPTの学習に利用される可能性も高いため、フォームから申請しオプトアウト設定を必須で行なっておきましょう。
以上3点を気にかけて頂き正しくご利用いただくことで、 ChatGPT を業務で使用することで得られるメリットが最大化するのではないでしょうか。
文責:川手遼一