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YDA にて2021年7月29日に「コンテンツキーワードターゲティング」がリリースされました。
名前と仕様が GDN の「コンテンツ ターゲット」と瓜二つのため、以下のように考える方も多いかもしれません。
「GDN のコンテンツ ターゲットのような施策が、ついに YDA でも実装されたのね」
しかしよくよく確認してみれば、コンテンツ ターゲットと似ている部分もあれば、コンテンツキーワードターゲティングでしか実現できない、 GDN のコンテンツ ターゲットにはできないことも存在することが分かります。
本日は「コンテンツキーワードターゲティング」とはどのような施策なのかについて、GDN における「コンテンツ ターゲット」との違いについても整理しつつ、ご紹介していきます。
目次
コンテンツキーワードターゲティングとは人ではなく、配信面を特定のキーワードで選定しディスプレイ広告を配信する、Yahoo! 広告のディスプレイ広告(運用型)の広告メニュー及びターゲティング機能を示します。
公式上は下記のような説明がなされています。
コンテンツキーワードターゲティングは、広告が表示される掲載面を指定するターゲティングの一つです。広告を配信したい(または配信除外したい)ウェブページやアプリのコンテンツをキーワードで指定して、掲載面を調整します。
「ディスプレイ広告(運用型) コンテンツキーワードターゲティングの提供について」より引用
すでに何年も前から GDN には「コンテンツ ターゲット」と呼ばれる類似の広告メニューが存在していますが、ほぼロジックはそれと同じものになります。
キーワードやトピックなどの要素に基づいて、ディスプレイ ネットワークの関連性の高いサイトに広告を表示する機能です
「コンテンツ ターゲット」より引用
ただし部分的に異なる点があります。その点については、次の「コンテンツキーワードターゲティングの特徴」にて触れていければと思います。
コンテンツキーワードターゲティングには、全部で4つの特徴があります。
例えば以下のように公式アナウンスされているように、他のYahoo! 広告のディスプレイ広告(運用型)に比べて配信可能な面が限定的です。
コンテンツキーワードターゲティングの対象掲載面は、Yahoo! JAPANの一部サービスです。
「ディスプレイ広告(運用型) コンテンツキーワードターゲティングの提供について」より引用
どのような配信面での広告が露出可能なのかについては、ヘルプ内PDF資料に詳しく記載されています。以下内容を整理し、一覧表にしたものになります。
配信可能な掲載面 | 配信不可能な掲載面 |
---|---|
Yahoo!ニュース スポーツナビ スポーツナビDO Yahoo! 映画 Carview! Yahoo! テレビ GYAO Yahoo!ファイナンス Yahoo!不動産 おうちマガジン | 右一覧にある場合でも、以下の広告枠は配信不可。 ・タイムラインの広告枠 ・提携パートナーサイト面 ・ディスプレイ広告(予約型) ・記事コンテンツ内のタイムライン広告枠 |
ただしこれは「配信」に関しての話です。「コンテンツキーワードターゲティング」は「除外」にも使用可能です。その点についても触れていきます。
コンテンツキーワードターゲティングは、除外にも使用可能です。特定のキーワードを含む面を除外することで、それ以外の面に対して広告配信は通常通り行われるような状態を構築することが可能です。
例えば炎上を招く可能性の高いキーワードや、商材にとって明らかにマイナスに働く可能性が高いニュース記事などによく含まれているキーワード(いわゆるネガティブキーワードや NG キーワード)、ブランド毀損を招く可能性が高いページに含まれているであろうキーワードなどを事前に集めておき、除外登録しておくことでそういった事態を未然に防ぐことが可能です。
ただし除外設定した場合、「コンテンツキーワードターゲティング」の配信面外にも、広告配信がされるとの記載があります。この点しっかりと認識しておかないと、想定と違った広告配信を実施してしまうかもしれませんので注意が必要です。
・除外対象コンテンツ以外にはすべて配信されます
・パートナーサイトやタイムライン等コンテンツターゲティング対象外の面においては、除外キーワードに関連したコンテンツに広告が掲載される可能性もございます。コンテンツターゲティング対象の面にのみ配信をご希望の場合は、プレイスメントターゲティングも組み合わせて設定してください
「ディスプレイ広告(運用型) コンテンツキーワードターゲティングの提供について」内「コンテンツキーワードターゲティングの機能提供について(PDF)」より一部引用
キーワードは GDN のように自由に打ち込み設定できるわけではなく、例えばサーチターゲティングのリスト作成のように、「コンテンツキーワードリスト」作成時にまず自由にキーワードを入力し、候補からキーワードチェックしリストを作成することが出来ます。
ツイートもしましたが、思った以上に登録可能なキーワードが少なく、現状ビックキーワードの一部ぐらいしか登録できないような状態です。
その点については、公式記事にて詳しく記載されています。
コンテンツキーワードターゲティングを利用するには、まずコンテンツキーワードリストを作成します。リストはシステムが提示するキーワードを選択して作成します。
「ディスプレイ広告(運用型) コンテンツキーワードターゲティングの提供について」より引用
「配信」と「除外」に対応した「標準リスト」と「除外専用リスト」が存在します。除外専用リストは1リストしか作成できず5,000キーワードまでという制限が存在します。「標準リスト」は1,000リストまで(除外専用リスト含む)、各500件のキーワードが登録可能です。
以下上記情報を参考に、図解したものになります。コンテンツキーワードターゲティングが「YDA」にコンテンツ ターゲットが「GDN」になります。
要素 | YDA | GDN |
---|---|---|
用途 | 配信・除外 | 配信 |
管理方法 | キーワードをリスト登録し広告グループレベルで管理 | キーワード単位で管理 |
キーワード | 候補から選択し使用 | 自由に指定可能 |
配信面 | 制限あり | 制限なし |
除外専用リスト | あり | なし |
ここにきて、GDNのコンテンツ ターゲットを後追いするような施策が出てきたことに少しびっくりしました。
ただ人へのターゲティングが Cookie 規制の影響などを受け困難になっていく昨今、配信面でターゲティングしていく手法を打ち出していくというのは、割と自然な流れなのかもしれません。
個人的には今までYahoo!ニュースの広告枠や GYAO の広告枠はうまく使いこなせていなかったので、その辺りをうまく使いながら、新規獲得数を伸ばすような提案につなげていきたいなと考えています。
文責:川手遼一