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ここ1年ぐらいであえて細かくターゲティングをせずに配信するという手法(通称:ブロード配信)で成果が出てきている案件が増えています。
目次
ブロード配信とは
ブロード配信とは、自動入札戦略などを用いた上で興味関心やユーザーリストを設定せず地域・言語・年齢を設定するに留め、Web広告の配信対象を広く捉えつつも自動入札による最適化で最適なユーザーに広告配信していく手法を示します。
当初より Facebook 広告では既にブロード配信が広く使われてきましたが、 GDN や YDA ではあまり具体的なブロード配信事例は出回っていませんでした。自分の場合は去年の暮れぐらいから GDN や YDA でブロード配信をテスト的に進めてきました。
半分テスト気分で提案して、今月からGoogle広告でブロード配信始めたけど、普通にコンバージョン取れてて笑ってる。今のところ目標CPA近くを推移。クリック単価は驚きの4円。
— 川手 遼一 (@RKawtr) December 18, 2019
3年ほど前から既に田島さん@amijat_work は「チラシを配るような広告を意識して」 YDA にて試験的に広告配信を試みられたりしていたようです。自分が本日お伝えしたいのも、ほぼ下記事例と同じようなものです。
下記図はブロード配信と他の施策を比べた際のものです(数値はあくまでも架空のものです)
ブロード配信のパフォーマンス例(他施策との比較)
数値を見ていただくとお分かりの通り、ブロード配信はコンバージョン率自体は低いもののクリック単価が極端に低い傾向にあり他の施策に比べて流入数も同予算であれば多くなる傾向にあることがお分かりいただけるかと思います。
結果的にリマーケティング広告以下の獲得単価で新規ユーザーからのコンバージョン獲得を効率的に実現しています。
人の話を聞いてみたり色々な案件で自分自身が試してみた結果ですが、ブロード配信と相性の良い商材には下記のような特性上の共通点がありそうです。
ブロード配信と相性の良い商材の特徴
特徴は全部で4つあります。
1.成果が特に出るのは誰でもサービスのターゲットになりうるもの
ブロード配信は誰でも顧客となり得る可能性が高い商材の方が成果が出やすいです。特に全人口の相当数がターゲットとなり得るものであれば最高です。
例えばスマホや PC などの電子端末、飲料など「一般的に誰でも買い得るもの」であれば最高です。逆に少しマニアックなものや嗜好性の強いものであれば検索広告で狙って配信した方がスケールする見込みも高いです。
ブロード配信はあくまでも潜在顧客を拾うための広告施策です。元々買う見込みがゼロのユーザーをコンバージョンに転換させることができる施策ではありません。
2.To C 向け商材であること
To B で成果が出ない訳ではないのですが、To Cの方が「1.成果が特に出るのは誰でもサービスのターゲットになりうるもの」で述べた理由と同じで、人口の相当数がターゲットとなる場合は成果に繋がりやすいです。
3.To B の場合は商圏が特殊であること
前述した通り「 To B でも成果が出ない訳ではない」と述べたとおりで、実際に To Bでもブロード配信を行い良い成果が出ることはあります。
ただし商圏が非常に限定的であるといった条件付きの場合です。
例えば産業機器などでトヨタの子会社、孫会社をターゲットに広告配信をしている事例であれば、愛知・名古屋のトヨタ工場を中心に半径ターゲティングでアプローチする手法が有効な可能性があります。そのようにエリアを絞り込める場合は有効な可能性があります。
ウェビナーの集客広告などであれば、東京都の中央区でデバイスは PC に限定して日中に配信するなども効果的でしょう。
4.コンバージョンハードルが低いこと
コンバージョンハードルが「成約」の場合、直接コンバージョン獲得をブロード配信で狙ってとっていくのは難しいでしょう。例えば資料請求やホワイトペーパーのダウンロードなどであれば、潜在顧客層でも前向きに検討し「動く」可能性があります。そもそも「成約」し得るユーザーで検索しないという事は考えにくいので、ブロード配信で「成約」のようなハードルの高いコンバージョン獲得を増やそうという考え方はあまり現実的ではありません。
GDN、YDAでブロード配信する際に注意してほしいこと
次に実際に配信を開始する前に気をつけて欲しい点、注意して欲しい点についてです。全部で7つあります。
1.広告そのものは「新規ユーザーが見ることを想定した」カスタマイズが必要
例えばブロード配信を新たに行う場合、リマーケティングキャンペーンをそのまま複製してリストを外して配信しようとしたとして、広告は「過去サイトに訪問したことがあるユーザー向けに作られたもの」であるままです。
当然ブロード配信では広告は商材を知らない人に対して配信することになりますから、その点を意識し「商材やサービスをまったく知らない人」が見ても分かるような広告に作り直しが必要です。
2.クリック単価は低めに配信して数円単位で調整
初動はクリック単価は低めに設定して、様子を見る形がいいかと思います。気付いたら予算を大幅に超えて投下量も想定以上に…といった事態を避けるためです。目標コンバージョン単価などでやる場合も低めに設定してまずは様子をみた方がいいでしょう。
3.最初は Google Analyticsでリアルタイムデータを監視
想定以上のユーザー流入が発生していたとして、それは広告管理画面上ではリアルタイム計測できません。しかし Google Analytics であればリアルタイムデータを見ることができます。そのため広告の審査が通過し、広告配信を開始した際の初動は Google Analytics でリアルタイムの数値を見ながら想定以上に露出し流入しているようであれば入札を弱めるように調整する、一旦停止する必要があります。
4.どこに配信するかを考える
どこに配信するかについて考えることは非常に大切なことです。
例えば乳幼児関連の商材であれば親世代(30代〜40代前半)でコンバージョンする可能性もありますが、50代〜60代が「孫に」と思いコンバージョンする可能性もあります。
「どこまでブロード配信を行い、コンバージョンを取りに行くのか」という視点で考えた際に現状のコンバージョンデータ(エリア・年齢など)などと照らし合わせて、例えば都心の30〜40代からの全体割合の一定数を占めているのであれば「都内の30〜40代の子供ありの人に向けてまずは配信しよう」という風に考えることもできるはずです。そのような思考ができるかどうかも非常に重要です。
5.除外設定は必要に応じて臨機応変に
しばらく配信してみて、性別や年齢、エリアで傾向や偏りが見られるようであれば除外設定を試みてもいいでしょう。
例えば GDN で配信を行うとアプリ面や YouTube に多く配信され、通常の Web サイト に配信されないケースも多々あります。そういった場合はそれらの配信面を除外したり、デバイス別で数値を見て「ないな」と思ったらスマホ配信を切ったりする工夫が必要です。
ブロード配信はリマーケティング広告などの施策と異なり、その性質上「機会損失を最小限にする」ことをそこまで意識しなくても良い施策になります(予算上限に当たって当たり前の施策なので)
そして特に自動入札戦略を導入している場合、+○○%調整は殆どのケースで適応できなかったりします。そのためガンガン切っていく発想がかなり大事になってきます。
6.予算上限の掛け方
予算上限は少しキツめに必ず設定した方がいいでしょう。暴発する恐れもあります。
7.実成約率、LTV が低い可能性がある
潜在顧客層に対してアプローチする以上、検索連動型広告に比べてお問い合わせが発生しても成約率が低かったり、LTV が低かったりする可能性があります。
コンバージョンは発生しても売り上げが発生しない状態に陥ると長期的に見てプラスの芽はありません。予算を特に相当額投じる場合は特に密な連携をクライアントと取り、数値を明確化する必要性があります。
管理画面上だけの数値を見て判断(安心)してしまうと危険です。
最後に
ブロード配信を行うことで低クリックで確度の高くないユーザーが増え、リマーケティング広告のパフォーマンスが悪くなるということはよくあることです。
「質の悪い流入が増えるとヤダなぁ…」という場合は Google Analytics のユーザーリスト作成機能をリストを作成して除外したり、特定のパラメータを付与してユーザーリストから除外するようにすれば、リマーケティングにも悪影響なく配信をコントロールし、いわるゆ「質の高いユーザー」に対して広告配信することも可能です。
ブロード配信は上記したとおりリスクが伴う施策ですが、あらゆるリスクはヘッジ可能なものであり、ブロード配信を行うことで今までアプローチしきれなかったユーザーにも広告配信を広げアプローチすることが可能となるため結果的により多くのコンバージョン獲得が可能となる可能性の高い施策になります。
特に Web 広告打ち手(施策)が頭打ちになってきている実感がある案件などで未実装の場合はお試し下さい。
そしてこちらのブロード配信と非常に相性の良い施策に Google 広告( GDN )のファインド広告があります。ファインド広告では実際に検索広告経由のユーザーの獲得単価の半額で純新規ユーザーの獲得を実現している案件もあり、自分自身とても注目しています。興味がある方は是非下記記事も合わせてご一読下さい。
ファインド広告を1年半配信してわかった5つのこと|基本的な設定方法、仕様についても解説
文責:川手遼一