ファインド広告のクリエイティブはどのように作るべきか|配信事例と公式資料をベースに考える

ファインド広告に限定した話で言えば、本当にクリエイティブの良し悪しでほぼ全てが決まってしまいます。

実際にブロード配信(ターゲットの性別と年齢だけを設定する、エリアを限定して配信するのみ)で純新規ユーザーに広告配信をしたとしても、リスティング広告の獲得単価の半額程度で、リスティング広告と同程度のモチベーションの高いユーザーからのコンバージョン獲得が実現できてしまっている案件も存在します

特にBtoCでファインド広告の成果がイマイチの場合、おそらくクリエイティブに原因があるケースが殆どではないでしょうか。

ただ何も…

・画像が良くない
・テキストがイマイチ

といった単純な話ではなく「どのようなコンバージョンの獲得を実現させていくべきか」「どのような広告を配信すべきか」という点まで吟味することも含め“クリエイティブに原因がある”と思われるケースが過半数を占めているのではないか?という話です。

肝心の広告配信精度が高くても、クリエイティブがイマイチであればコンバージョンしないのは当然です

自分はリスティング広告によるアプローチと同程度に今後ファインド広告とTrueView アクション(VACを含む)などの動画広告による純新規ユーザーからのコンバージョン獲得が運用型広告における代表的な存在になるのではないかと考えています。

しかし肝心のクリエイティブがイマイチではその真価は発揮されずに終わってしまいます。「ファインド広告のクリエイティブはどのように作るべきか?」という点について、この記事ではお伝えしていければと思います。

まず読むべき4つの公式記事

まずはファインド広告に関する体系的な知識を身につけていただく必要があります。そのため下記4つの公式記事をそれぞれ一読して下さい。ある程度運用型広告の知識がある方はまずこちらを最低限それぞれ一読して頂き、全くファインド広告の知識がない方はまずファインド広告解説記事を読んで頂き、その上で(1)(2)を読ん頂き、実際に運用をしてみて(3)(4)を読んで頂く形が理解して頂く上でスムーズかと思います。

(1)さまざまな場でユーザーに発見してもらえるファインド広告

リンク:さまざまな場でユーザーに発見してもらえるファインド広告

ファインド広告全体を理解する上で有用な記事です。ファインド広告は2019年にβ版として公開されましたが長らく公式ヘルプ上では言及されている記事が少なく、2020年4月に公式にリリースされ2020年5月末にようやくこちらの記事が公開され広く知られることになりました。

(2)ファインド キャンペーンについて

リンク:ファインド キャンペーンについて

内容はテキストが多く、ある程度広告運用の知識があるユーザーを対象に書かれた記事になります。まずは(1)さまざまな場でユーザーに発見してもらえるファインド広告を読んで頂き、その上で併せて読んで頂くと良いかと思います。特徴や活用方法などが記載されています。

(3)ファインド キャンペーンでビジネスを拡大

リンク:ファインド キャンペーンでビジネスを拡大

ファインド広告として作るべきクリエイティブや、設定すべきことについて情報(例:「高画質の画像(1200×628、1200×1200)でユーザー行動を促進」など)が記載されています。書いてあることはある程度運用経験のある方からすれば想像の付く範囲の内容の物が多く、また少し情報が古いため読む上で注意が必要です。

(4)Discovery campaign asset specifications

リンク:Discovery campaign asset specifications

日本語訳が存在しないため、日本語で読みたい場合は Google 翻訳などを通して読む必要がありますが、クリエイティブを考える上で非常に有益な公式記事です。上記(3)よりも踏み込んだ指摘などがされており(例:「Avoid stock photography」など)実務ベースで役立つ記事です。

次に自分が上記公式記事などを踏まえ、クリエイティブを制作していく上で重視すべきポイントについて解説していきます。

広告用の画像はどのようなものを使うべきか

まずどのような画像を使うべきかという点についてですが、画像についてはサイズと画像の特性という2点について解説していきたいと思います。

(1)サイズの画像

画像のサイズについては公式推奨通り、高画質の画像(1200×628、1200×1200)はマストで設定すべきです。私が視認できる範囲では YouTube 、Google Discover では1200×628が多く使用されているように思いますが、以下ツイートのようにGoogle Discover や Gmail 面でも1200×1200を見かけることは少なくありません。

また管理画面上では960×1,200(4:5)のサイズも登録可能です。公式は画像設定をアナウンスしていませんが、限定的な広告枠が存在する場合、設定しないことで機会損失が発生する可能性もあるため、可能であればこちらも併せて登録することをオススメします。

(2)画像の特性について

サイズは分かってもどのような画像を使えばいいのかという点については具体的な指摘は殆ど見られません。ただし「こういう画像は避けてほしい」といったものはあります。例えば下記記載がそれに当たりますが「ストックフォト(写真素材)については使用を避けた方がいい」旨が公式記事の中に記載されています。

以下は該当記事からの引用と訳になります。

Avoid stock photography; if using stock, make sure it connects with your brand and story.

ストックフォトは避けてください。もしストックフォトを使用する場合は、それがあなたのブランドやストーリーと関連していることを確認してください。

Discovery campaign asset specifications」より引用、日本語訳はGoogle翻訳を用いつつPPC-LOG執筆者訳

もし使う場合も例えばそのまま使うのではなく加工して使う他、製品イメージやブランドイメージに近いものを使用するなどの工夫が必要です。

また Google Discover や YouTube 面に表示されることを意識してブログ記事のサムネイル、OGP 画像を作り込む時のような工夫が必要です。

例えば商材と関連性が高いユーザーが見ているであろう YouTube チャンネルのサムネイルや、ブログ記事のサムネイルを調べてみて、どのような画像であればその広告にとって望ましい反応が得られるのかを検証してみるなど有効でしょう。

クリエイティブを作り込む上で確認すべき点

極論まず最初にファインド広告用のクリエイティブを制作した際に、自分が気にかけるのは以下の3つです。

  • トレンド
  • お得感
  • 手軽さ


基本的に上記3要素のうちのどれかを内包していればほぼ確実に反応が取れます。以下は3つの要素を図解したものです。

1つずつ解説していきます。

(1)トレンド

トレンドには大きく分けて短期トレンド長期トレンドの2種類が存在します。短期トレンドは「◯月◯◯日まで」「◯月◯◯日〜」といった日付が入ったものや、直近でのニュースと絡めた告知をするような広告がそれに該当します。

2021年現在だと長期トレンドは例えば「DX」や「ウィズコロナ」「副業」などといったものを含む広告がそれに該当するイメージです。

例えば短期トレンドの場合は下記クリエイティブ例のような広告がそれに該当します。

(2)お得感

お得感は強すぎると逆効果ですが「少し小銭が手に入る」「少し得する」という感情を嫌う人は少数派のはずです。

例えば「ディナーをご馳走します」と言われれば警戒する方もいるかもしれませんが「ランチを御馳走させてください、喫茶店で美味しいお茶でも如何でしょうか」とくれば警戒もされません。以下がそのクリエイティブ例です。

何でもいいからとにかく特典をつければいい訳ではないのですが、誰もが持ち合わせている「ちょっと得したい」という気持ちのスイッチを押すギミックが内包された広告は非常に効果的です

(3)手軽さ

本命のコンバージョン(例:購入、資料請求など)を直接狙うよりも、お客様の声やホワイトペーパー、ウェビナー、事例集ダウンロードなどを挟むような、コンバージョンハードルの低いマイクロコンバージョンのようなものの獲得を目的とした広告配信は有効です。以下がそのクリエイティブ例です。

ただし本命のコンバージョンが全く取れないからと言って、何でもマイクロコンバージョン(ホワイトペーパー、ウェビナー、事例集ダウンロードなど)を設定して広告配信しても意味はありません

本来増やしたい目的(成約)へのその後の遷移率などを細かく見た上で調整を重ねていく必要性があります。

(4)ヒットの4条件

上記(1)〜(3)の他にも、自分がこっそり意識しているのが幻冬舎の見城徹氏が著書や様々な場で言及している「ヒットの4条件」です。以下がそれになります。

1.オリジナリティがあること
2.明快であること
3.極端であること
4.癒着があること

売れるコンテンツの4つの条件」より引用

著書の中では以下のようにも述べられています。

つまり、オリジナリティーがあって、極端で、明確というのは全部同じことだ。だが言葉としては違うから、僕はいつも、「売れるコンテンツの条件は、オリジナリティー、極端、明確であること」と言っている。とにかくコンテンツは、極端でなければならない。極端なものは明確に決まっている。極端なものは、オリジナリティーがある。それは誰にも真似できない。極端だからだ。すでにあるものとは違うから、極端になるわけだ。

極端こそ我が生命』より引用

コンバージョン(購入)を目的とした広告配信の結果は、基本的に「広告そのものが持つ力」と「商品力そのもの」によって決まります。

「ヒットの4条件」はどちらかといえば商品力そのもの、自分が心がけている(1)〜(3)は広告そのものが持つ力によってその商品を「どのような切り口で魅せるか?」という関係で成立していると自分は考えています。

図解すると下記図のようになります。

「ヒットの4条件」については「商品力そのもの」であるため、広告では作ることが出来ない部分でもあります。そのため「ヒットの4条件」に該当する部分については「あれば使う」「あればそれが活かせるような“広告そのものが持つ力”を考えて広告を設計する」ように心がけています。

テキストについて

テキストについては画像やランディングページに合わせる形で決まってくる部分が大きいと思われます。ただし一応公式記事では下記のようなアドバイスがなされていることについては触れておきたいと思います。

・Give key details about your product and brand so your audience don’t have to leave their feed

・Write for the conversion, not just the click 

・Use conversational language

・視聴者がフィードを離れる必要がないように、商品とブランドに関する重要な詳細を提供します

・クリックだけでなく、コンバージョンのために書く

・会話的言い回しを使用する

Discovery campaign asset specifications」より引用、日本語訳はGoogle翻訳を用いつつPPC-LOG執筆者訳

特に重視すべきは「会話的言い回しを使用する」という点でしょうか。実際に Google Discover を見ていると「これ通常のディスプレイ広告で使用しているリマーケティング広告の文言そのまま使ってない?というかリスティング広告の文言そのまま使ってない?」といったものも多いのですが「会話的言い回しを使用する」ことでフランクな雰囲気や、ブログ記事や YouTube 動画などがレコメンドされているフィードに表示された際の違和感は緩和されやすいのかもしれません

自分は実際に会話的言い回しを使用しつつ、自分のもとに流れてくるレコメンドコンテンツなどにも目を通し、その上でその中に広告として自分が作ったものが溶け込めるかどうか、合間に表示されても違和感がないかどうかを考えながら広告見出しや説明文を設定するよう心がけています。

最後に

最後にファインド広告は Google の有するコンテンツレコメンド枠に配信されるという性質上、つまりフィードやタイムライン上に掲載されることも多いため、広告の情報量が多すぎると時にはマイナスに働く可能性が高いという点についても解説しておきたいと思います。

この記事を読んだ方の中には「トレンド」「お得感」「手軽さ」の全てを兼ね備えた広告が一番良い広告…とお思いになる方もいらっしゃるかも知れません。例えば「トレンド」と「お得感」を混ぜたクリエイティブの例としては以下のようなものがあげられます。

この点については正直商材、商材のターゲット次第でもあるのですが…例えばラーメンで言う「全部のせ」のようなものを嫌い、シンプルな札幌味噌ラーメンを好む方もいるのと同様に、このようなクリエイティブを好む人もいれば嫌う人も確実に存在します。

そのため、より多くの人に広告でアプローチしようとして上記した3つの特性を広告上で全て訴求してしまうとユーザーからは「うるさい広告」として見られることもある…ということは念頭に置いて頂き、その上で是非クリエイティブ制作は行って頂ければと思います。

余談

よしださん@ruiji_31ツイートをキッカケに現在毎週末「あさひ町内会」に通い「20年前恋した味噌ラーメン」を食べるという食習慣を辞めることが出来ません。