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Amazon広告のスポンサープロダクトキャンペーンには、大きく分けて2つのターゲティング設定が存在します。
- オートターゲティング
- マニュアルターゲティング
2つの特性を理解し、うまく使うことができればスポンサープロダクトをよりよく活用し、Amazon内での広告運用を効率的に行うことができるようになります。しかし、特性を理解しないまま使用してもうまく使いこなせず、 Amazon広告の価値を十分に引き出せないこともあるかもしれません。
そうならないためには、しっかりとそれぞれの特性を理解し、それぞれの良さを引き出してアカウント全体に良い影響をもたらすキャンペーンを意識的に設計できるようにする必要があります。
本記事ではオートターゲティングとマニュアルターゲティングについて解説しつつ、「どのように設定し広告配信するのが最適なのか」という点について解説していきます。
目次
そもそもスポンサープロダクトキャンペーンとは、どのようなキャンペーンなのでしょうか。
スポンサープロダクトキャンペーンとは、Amazon内の検索結果画面にユーザーが実際に検索した検索用語(Google 広告で言うところの「検索語句」)に連動した商品の広告を配信できる広告キャンペーンです。
Amazon という「物を購入することを目的としたフェーズに達しているユーザーが多い場」において、具体的検索している顕在層に対して商品をアプローチすることができる広告メニューであるため、まず「Amazon 広告をこれから始める」といった方にもオススメのメニューとなっています。
Anker Japan 代表取締役CEOである猿渡さん@endoayumu も Amazon で広告活用を検討するのであれば「とりあえずSPA(スポンサープロダクトキャンペーンのこと)からやりましょう」といった話をされていますが、自分もそれについて完全に同意見です。
「スポンサーブロダクト広告を効果的に運用していきたい」と考えている方は下記別記事もご参照ください。
【参照】スポンサープロダクト広告を効果的に運用する上で抑えておきたい5つのポイント
また Amazon 広告については他にも様々なメニューや、配信手法が存在します。ターゲティングの種類などについては森岡さん@moriken_ubun が非常にわかりやすく図解されていますので、そちらをご参照ください。
スポンサープロダクトに限ってみても、さまざまなターゲティング手法や種類が存在することがよくわかります。
スポンサープロダクトキャンペーンには大きく分けて2種類のターゲティングが存在します。前述した通り、オートターゲティングとマニュアルターゲティングです。
公式ヘルプではそれぞれについて下記のような説明がなされています。
オートターゲティングについては下記の通りです。
オートターゲティングでは、Amazonが広告を、その広告の商品に類似したキーワードや商品と一致させます。キーワードや商品の一致は、商品情報に関連した購入者の検索に基づいて選択されます。オートターゲティングを使用すれば、簡単かつ迅速にキャンペーンを作成できます。キャンペーンの実施後、広告キャンペーンマネージャーでキャンペーンパフォーマンスを確認し、広告のインプレッション数やクリック数を把握して、事業目標を達成できるようにターゲティングを変更できます。
「オートおよびマニュアルターゲティング」より引用
オートターゲティングはキャンペーンの名前にもあるとおり配信開始までの流れのうち、一部が自動的に設定されるため、キャンペーン作成時に本来であればキーワードを設定したりといったところで取られていた時間を節約することができるほか、マニュアルでは少々配信開始までに時間を取られていたはずのところが節約できることによって機会損失を防ぐことができるターゲティングになります。
2019年に発売された『Amazon広告“打ち手”大全』の中では、「スポンサープロダクト広告の配信を開始する場合、まずはオートターゲティングで配信を開始すべき」と論じ、以下のような記載がなされています。
スポンサープロダクト広告のオートターゲティングから開始すべき理由は、以下の3つのメリットが大きいためです。
・運用スキルがほとんど必要ない
・広告の審査がなく、すぐに出稿できる
・実際に広告が掲載された検索キーワードや関連商品などのASINがわかり、ほかの施策を展開するときの参考になる
『Amazon広告“打ち手”大全 世界最大のECサイトで広告運用に挑む 最強の戦略77 できるMarketing Bibleシリーズ』より引用
「広告の審査がなく、すぐに出稿できる」はマニュアルターゲティングも同様ですが、「実際に広告が掲載された検索キーワードや関連商品などのASINがわかり、ほかの施策を展開するときの参考になる」はその通りで、実際にオートターゲティングでどのような配信がされたかをみることで、後々にマニュアルターゲティングを設定する際の参考になるケースは珍しくありません。
また他にも様々なメリット・デメリットが勘案されます。下記図はそれらについてまとめたものになっています。
メリット | デメリット |
---|---|
設定に時間を取られない | 商品情報が充実していない状況で配信しても、本来商品情報を充実させた状態であれば得られたはずの広告効果をえられない可能性が考えられる |
専門性の高い知識を必要としない | 管理画面上ベースで細かい分析が行いにくい |
誤ったキーワードを登録する、本来キーワードとして登録したいものを除外キーワード登録してしまうといった設定ミスが起こりにくい | パフォーマンスが悪い際に打ち手が限られてしまう |
「まずはオートターゲティングで配信してみて Amazon 広告のポテンシャルを見極めたい」といった際に有効 | キーワードターゲティングではなく商品ターゲティングで多く予算が使われる、思った以上に指名キーワードを含む検索用語に対して広告配信が行われるなど、「当初自身が想定していた形」とは異なる形で予算が投下される可能性がある |
しかし、デメリットを考慮した上でもそれを上回るメリットがあるため、これらの情報を鑑み、自分自身も最初に設定するのであればオートターゲティングがおすすめです。
一方、マニュアルターゲティングについては公式ヘルプにて以下のような紹介がなされています。
ターゲティングの経験が豊富な広告主の場合は、マニュアルターゲティングにより、特定のキーワードおよび商品にターゲットを設定できます。キーワードに対し異なるマッチタイプを選択して、広告商品に関連するカテゴリー、商品、ブランド、または機能を選択できます。
「オートおよびマニュアルターゲティング」より引用
前述した森岡さんのツイートにもある通り、2021年12月現時点でもマニュアルターゲティングでは以下のようなターゲティングが可能です。
- キーワードターゲティング
- 商品ターゲティング
キーワードは以下の3つの方法で設定および選択が可能です。
- 広告内の商品に基づいた「推奨」
- キーワードを自由に入力し設定できる「リスト」
- XLSXテンプレートファイルを用いてファイルをアップロードする「ファイル」
管理画面上は以下のようになっています。基本的には「推奨」でも事足りますが、自由度の高いキーワード設定を行いたい場合は、キーワードを自由に設定できる「リスト」から追加しましょう。
ここでは例として「サウナハット」と入力し、部分一致、フレーズ一致、完全一致の登録を画面を表示しています。追加されたキーワードはデフォルトで、それぞれ推奨入札額の中央値が入札額として設定されるようになっています。
キーワードの取り扱いについては公式ヘルプ上にて以下のような注意点があります。下記はそれらの代表例をピックアップしたものになります。
理想的なキーワード数はありませんが、キャンペーンと広告グループには25個以上のキーワードを含めることをお勧めします。売上目標を達成するのに十分なインプレッションを広告が獲得できるようにするため、キーワードを追加することを検討してください。キーワードによっては、一般的なショッピング検索ではないためにインプレッションを多く獲得できない場合があります。
「キーワードターゲティングのベストプラクティス」より引用
キーワードが1つのキャンペーンで2週間実施されたら、どの検索ワードが最も効果的で最適なトラフィックとクリックを生み出しているかを確認しましょう。成果の低いキーワードをアーカイブし、成果の高いキーワードの入札額を引き上げることを検討してください。ガイダンスに基づいて過去7日間にインプレッションを獲得した広告の推奨入札額とその範囲を確認しましょう。
「キーワードターゲティングのベストプラクティス」より引用
複数形のキーワードや、既存のキーワードのスペルミスを追加する必要はありません。
「キーワードターゲティングのベストプラクティス」より引用
前述した通り、これらのような設定や管理工数がどうしても発生してしまうのがマニュアルターゲティングの難点になります。
またこれらは「商品ターゲティング」でも同様です。
商品ターゲティングでは公式ヘルプにも記載ある通り、広告商品との関連性の高い特定の商品、カテゴリー、ブランド、その他の商品の機能を選択し広告配信可能なものとなっています。
商品ターゲティングでは、広告商品との関連性の高い特定の商品、カテゴリー、ブランド、その他の商品の機能を選択できます。この戦略を活用して、購入者が商品詳細ページやカテゴリーを閲覧する際に商品を見つけやすくします。また、購入者がAmazonで商品を検索する際のスポンサープロダクト広告およびスポンサーブランド広告にもこの戦略を活用できます。カテゴリーと商品を個別にターゲティングすることも、同じキャンペーン内のカテゴリーとブランドを組み合わせてターゲティングすることもできます。
「キーワードターゲティングおよび商品ターゲティング」より引用
例えば自社商品のカテゴリーを見つけて設定したり、競合、類似競合他社の商品を設定したりすることで広告配信が可能となります。管理画面上の「カテゴリー」と「個々の商品」からそれぞれ設定することができます。
それぞれの活用方法についても、前述した情報をもとに解説しておきます。
上記したデメリットを飲み込めるのであれば、まずはオートターゲティングで配信し様子を見ていきましょう。配信開始したら様子を見つつ「どのような検索語句が売り上げ発生につながる広告配信がされているのか」などを分析していきましょう。
オートターゲティングの配信結果を分析し、それらの情報をもとにマニュアルターゲティングを設定し配信してみましょう。設定後もオートターゲティンと同時並行で、マニュアルターゲティングのキャンペーンを配信していきましょう。
マニュアルターゲティングはその性質上、あくまでも手動で設定したターゲット領域を出ない範囲までしか広告配信されません。
しかしオートターゲティングであれば商品情報と購入者の検索、設定した予算をもとに広告配信がされ続けます。オートターゲティングでなければ対応できないような、突発的な検索用語の変化や登場にもオートターゲティングであれば柔軟に対応することができ、またその部分で売上につながるような動きが見受けられるのであればマニュアルターゲティングの方でも配信設定を微調整し、配信を強化していくなどの微調整が可能です。
図解すると、以下のようなイメージです。
実際に自分自身、今まで運用してきたケースや見聞きしたケースでは、オートターゲティングとマニュアルターゲティングを両方配信しながら運用するケースも珍しくありません。お互いの良いところを引き出しながら広告運用していきましょう。
「特定の検索用語はマニュアルターゲティングで、その他はオートターゲティングで」と綺麗に分けて配信したいと考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、現実にそれは難しく、実際に展開しようとすると除外キーワード登録に手間がかかったり、作業工数もかかるため、機会損失を引き起こしてしまう可能性もあります。
まずはそういったことは考えず、どちらか(マニュアルかオートか)で配信されれば良いという感覚で広告配信されることをお勧めします。
本記事の中ではスポンサープロダクトキャンペーンにおけるオートターゲティングとマニュアルターゲティングの違いや活用方法について解説し、その中で「どのようにそれぞれを活用し、広告配信していくのが最適なのか」という点についても説明を試みました。
実際に自分自身、オートターゲティングとマニュアルターゲティングを併用して使用し、ROAS を引き上げつつ広告配信量を倍増させたケースがありますが、その際には実はここで解説したような取り組みをひっそりとコツコツ展開していました。
本記事がスポンサープロダクトキャンペーンを現在配信されていて「思ったほどの手応えを感じられていない」「配信について悩んでいる」といった方の手助けになれば幸いです。
文責:川手 遼一
Amazon 広告を体系的に基礎から学ぶのであれば、まず『Amazon広告“打ち手”大全』を通読することをオススメします。