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スポンサープロダクト広告はその性質上「Amazonを閲覧している、そもそもある程度購買意欲のある層に対して広告配信できる」という大変魅力ある広告プロダクトになります。
しかし、当然のことながらこれは他のスポンサープロダクト広告を配信している競合他社も同じことで、安定して成果を出し続けるためには、配信しながら工夫をしたり、微調整を行い差別化を図っていく必要があります。
目次
本日は自分自身が実際にAmazon広告を配信している中で意識している点や、実際に取り組んでいることについて解説していきます。要点としては下記の通りです。
まずはスポンサープロダクトキャンペーンにおける2つのターゲティング「オート」と「マニュアル」を使い分け、使いこなすことが重要です。
以前に別記事でも紹介した通り、オートで売上につながる検索用語やROASの高い傾向だったりを見つけたらそれをマニュアルで設定して集中的に狙いにいく基本所作について話しましたが、まずそういった基本的な取り組みが必要となってきます。
【参照】スポンサープロダクトキャンペーンにおけるオートターゲティングとマニュアルターゲティングの違いと活用方法
まず下記図のような取り組みの流れを作ることを意識しましょう。
自分は実際にこのサイクルをうまく活用していきながら、広告費を3倍以上投下量を増やしつつ、ROASを2倍以上に上昇させたことがあります。
一見すると地味でもあり、非常に基本的な取り組みにはなるのですが、とても大事な取り組みになります。
自社商品と相性の良いホリデーシーズンやセールシーズンに広告配信を強めるように調整したり、そもそも商品をそれに合わせてカスタマイズしたりすることで、他との差別化を図ることも可能です。
Amazon は下記の通り、公式にホリデーシーズンはコンバージョン率やROASが上昇することについて言及しています。
ホリデー商戦期などのショッピングイベントは、購入意欲が高まるため、広告主様に独自の機会をもたらします。たとえば、2019年のホリデー期間中にスポンサープロダクト広告は、コンバージョン率が24%上昇し、広告費用対効果(ROAS)が14%増加しました1。この3つの意図的なスポンサープロダクト広告戦略は、広告主様が年間を通じてショッピングイベントの機会を活用するのに役立ちます。
「スポンサープロダクト広告戦略を最適化する3つのステップ」より引用
そのタイミングを使わない手はありません。
例えば贈り物として一定ニーズがありそうなものであれば贈り物シーズンに合わせた戦術的な展開を考えるべきですし、Amazon特有のセール時に商品価格を下げて販売数を伸ばしにいくような取り組みを行うのであれば、それにあわせた広告展開も考えていくべきです。
以下は一般的なセールのタイミングと Amazon 内でのセールについて月毎に記載したものになります。
またタイムセールは年に数回不定期で実施されていますが(2021年は4月・5月・7月・8月・10月)基本的に年末はサイバーマンデイとブラックフライデー、年によっては年末セールが開催されており、年始には初売りセール、3月には新生活セールが行われるため、それらを避けて行われる傾向にあります。
ちなみに「うちは子供向けの玩具を販売していて、GW、特にこどもの日にかけて売り上げが伸びるんだけど?」みたいなケースもあるかもしれませんが、ここでは細かくそういったところまでは補足できないため記載していません。
また Amazon も公式に販促カレンダーコンテンツを用意しているため、これらに目を通しておくと年間を通じた販促戦略を立てる際などに参考になります。
【参考】日本のマーケットプレイスで広告を掲載するためのマーケティングカレンダー
そして上記以外にもAmazonダブルポイントウィークなど存在し、そういった際には売り上げを上げやすくなります。そういった不定期なイベントに関しても、目ざとくチェックしておきましょう。
参照:Amazonダブルポイントウィーク – Amazonセラーセントラル
上記「2.売れるタイミングを見極める」で解説した内容と一部重複しますが、広告そのものを見直してみるのも有効です。
そもそもスポンサープロダクト広告で売るべき・売れるものは下記図のように「ユーザーが欲しいと思っているもの」であり「Amazon内でユーザーが検索しているもの」である必要があります。
そのため例えばいかに優れた商品であったとしても、ユーザーの検索行動や検索意図からかけ離れたものを展開し売り上げを伸ばしていくことは困難です。
売れるためには、時には検索用語やサジェスト、カスタマーレビューなどを定期的に確認し、商品タイトルや画像、内容物の変更(容量やサイズの見直しなど)が必要なケースが想定されます。
例えば EC とAmazonモールとで比較した際に、ECには存在するものがAmazon内にはなかったりするケースは珍しくないのではないでしょうか。
単純にAmazonの物流に乗せるのが難しいケースもあるかと思いますが、ある程度の見込みがあるのであればそれらを出品してみるのはどうでしょうか。
Amazonでは普通のECサイトでは売りにくいようなものが逆に売れたりすることもあります。そのため過去あまり EC では売れなかった商品であったとしても、Amazon内の検索ボリュームを調べてみてニーズがないかを探ってみたり、ある程度可能性があるのであれば出品して様子を見たりするだけでも可能性が広がります。
前述した通り、カスタマーレビューや検索用語には定期的に目を通し「なぜこの人はわざわざAmazonで購入したのか」や「どういったニーズがありそうか」という点については常に気にかけておくべきです。
例えば通販雑誌『通販生活』を創刊した斎藤駿は通販雑誌を通じてルームランナーで大ヒットさせますが、斉藤氏はこのことについて「通信販売という広告で販売したからヒットした」とのちに回想しています。
以下一文は斉藤氏の著書『なぜ通販で買うのですか』について、自分が過去書いた書評になります。
当時既にルームランナーは市場には存在していましたが、そこまで一般認知はされていませんでした。ルームランナーの多くは昔ながらの街の売り場で販売していましたが、それでは売れないわけです。単純に40年以上前に町中で「ルームランナーはどこで売っていますか?」と聞いても答えられる人が少なかったというのもありますし「ルームランナー=コンプレックス商材」という側面も少なからず影響しているでしょう。当時は栄養失調などは減りつつもゆるやかに生活習慣病など増え始めた頃です。健康面を気にしてそういったものを買いたいと思ってもユーザーは「あれこれ詮索されたくない」という思いも今より強かったのかもしれません。ユーザー側の「詮索されずに買いたい」というニーズに対して通販は上手くハマったという点も、販売数を伸ばす上で大きく影響したように思います。
「【書評】『なぜ通販で買うのですか』」より引用
上記のような購買心理に似たようなもの、現在も存在しています。
また他にも、例えば地方と都心では同じ系列でもコンビニの品揃えが全然異なり、都心ではコンビニで気軽に買えるものが地方では中々購入できなかったり、逆に都心に住んでいると自家用車がないため気軽に輸送できず、地方では街中で気軽に購入できるようなものが購入できなかったり、単純な気候的な要因や居住環境による影響も無視できません。
そして「どのような検索用語が売上につながるか」については「1.オートターゲティングとマニュアルターゲティングを使いこなす」でも触れたため注視している方も多いかもしれませんが、関連性が高い検索用語なのに中々売り上げに繋がらない検索用語があれば、それについても注視し傾向などを探ってみるべきです。
例えば Amazon では通常 EC ではリーチし得ないような新規顧客層に対してリーチすることができるため、通常の顧客層とは異なる層に支持されることがあります。単純に既存商品を Amazon で販売するだけでは売れない可能性などが考えられます。
しかし、よくよくカスタマーレビューを確認したりして商品のアップデートを図ってみたり、検索用語を確認し顧客ニーズを探り見せ方を変えてみるだけで、Amazon内での広告効果を高めていくことや、売り上げそのものを伸ばしていくことにつながっていくことは珍しいことではありません。
例えば焚き火をするための道具のみ取り扱う Tokyo Camp は、Amazonのカスタマーレビューに寄せられたお客様の声も商品の改良に役立て、スポンサープロダクト広告経由で売上を伸ばしています。
今はストアの評価が購入の判断材料となる時代。カスタマーレビューに寄せられたお客様の声は逐一チェックしています。時には、自分たちでは想像していなかった新しいアイデアが寄せられたり、お客様の声から新商品を開発したりしたこともありました。お客様のフィードバックを活かして何度も改良しているので、焚き火台は発売当初から何度もアップデートしています。
「デジタルが切り拓く中小企業の未来 Vol.13 ECビジネスを加速させるブランディング戦略の新発想」より引用
また特に Amazon 内での購買行動が他のチャネルと大きく異なる場合や数値として顕著な場合、Amazonオリジナルの商品を用意してみるはいかがでしょうか。Amazon は「Amazon限定ブランドプログラム」というプログラムを提供しており、それらの動きをサポートしてくれます。
Amazon 広告を体系的に基礎から学ぶのであれば、まず『Amazon広告“打ち手”大全』を通読することをオススメします。
文責:川手遼一